コピーライターがこっそり教える メールで「失礼な人」にならない方法
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(本記事は、中村 圭氏の著書『コピーライターがこっそり教える メールで「失礼な人」にならない方法』=きずな出版、2022年7月22日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

メールの「文章」が第一印象を決める

「書くこと」の重要性を理解した人は、新しい時代のビジネスシーンで活躍しています。

文章を中心にして大勢の人をまとめる。自分の感情まで伝え、そして時には、人を文章で勇気づける。以前はパッとしなかった人が、文章によって活躍し始める。

そんな変化も見られるようになりました。

文章でしか接しない相手も増えています。みんながリモート上でのやり取りを覚え、メールやメッセージベースだけでプロジェクトが進むことも増えました。なにより「必ず対面しなければいけないわけではない」とみんなが気づいたことは大きいです。

この変化は、SNSを想像してもらえればわかりやすいと思います。

SNSでは、その人と直接会って話したことがなくても、文章を見ただけで、この人が好きだとか、嫌いだとか、フォローしようなどと決めますね。

この世界が、リモート時代を経て、仕事の世界にも入ってきたということです。

文章で「はじめまして」をして、仕事をして、実際に顔を合わせる打ち合わせはだいぶあと。そこで、こんな人だったのかと知る。

仕事によっては、メールやメッセージのやり取りだけで仕事が完結したりもします。

要するに、テキストだけで、その人が判断される時代が来たということです。

文章にまとまりがない人は、「考えもまとまっていなくて、仕事ができなさそう」と相手に思われます。文章が長くてダラダラしている人は、「仕事のやり取りもダラダラしそう」と思われます。機械的で感情のない文章を書く人は、「冷たい人」に見えます。

なにより怖いのが、メールやチャットなどのテキストで上手く伝えられない人は、「存在感」がなくなっていくことです。

メールの宛先やチャットのグループには入っているけど、書き込むのが苦手で、なにも発信ができない。これでは、いないのと同じになってしまうおそれがあります。

これからは、文章のコミュニケーションだけでも存在感を出すことが重要です。

文章に、自分のすべてを入れ込まなくてはいけない時代になっているのです。

どんなメールだったら、先に読みたい?

コミュニケーションの主体がテキストになってくると、人が1日に受け取るテキストの量は増えます。結果、「どのメッセージを優先して読むか」の競争が激しくなりました。

人は無意識に、送られてきたメッセージに優先順位をつけます。当然、魅力的なメッセージが有利で、優先的に読まれます。

昔は、機械的なテキストメッセージでも、問題はありませんでした。

あくまでテキストは補助。同じオフィスで働いていれば、メールを送ったあとに席まで行って、口頭でいろいろ伝えることができました。

けれども、いまや同じ会社の人でさえ、フォローアップできる機会は減っています。

また、会話で気持ちよくコミュニケーションできる相手の仕事が優先されるように、これからの時代はテキスト・コミュニケーションの上手い人が有利です。

「文章だけで、感情や人格まで表現ができるか、できないか」で、仕事の効率が大きく変わる時代になってきているのです。

仕事の評価の面でもテキストの重要性は、さらに増しています。

文章で相手にストレスを与える人の評価は、どんどん下がるからです。

たとえば、一度できちんとまとめてくれれば終わるはずのメールが、何度も何度も返信しなければ終わらない。こんな伝え方をする人は、貴重な時間を奪う人だと思われます。

文章のやり取りが、命令口調に感じる。

そんな感じの悪い人認定をされると、仕事が後回しにされたり、作業のクオリティが下がった、仕事が上手く回らなくなるのです。

また以前は、「職場でなんとなくがんばって見えるから」という雰囲気の評価がされることも多かったでしょう。いまや全員の動きが見えないなか、きちんと文章で「自分がなにをして会社に貢献したか」を書かなくては、評価が得られません。

仕事の効率化にも、評価を上げるためにも、テキスト・コミュニケーションの上手さが非常に重要な時代になってきているのです。

コピーライターがこっそり教える メールで「失礼な人」にならない方法
中村 圭(なかむら・けい)
コピーライター。2007年博報堂に入社。世界最高の広告賞であるカンヌ国際クリエイティビティフェスティバルの金賞や、ACCTOKYO CREATIVITY AWARDSのゴールド、世界各国の30歳以下で争われるヤングスパイクスの日本代表にも選出されシルバーを受賞するなど、国内外で多数の賞を獲得。著書に『説明は速さで決まる』(きずな出版)、『1行思考』(KADOKAWA)がある。

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