矢野経済研究所
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2018年度のヘアケア市場規模は前年度比1.3%増の4,488億9,000万円

~植毛市場が好調、発毛・育毛剤市場やヘアケア剤市場は堅調推移~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内ヘアケア市場を調査し、分野別の市場動向、参入企業動向、また、将来展望を明らかにした。

ヘアケア市場規模推移・予測

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2018年度のヘアケア市場カテゴリー別構成比

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1.市場概況

2018年度の国内ヘアケア市場規模(毛髪業市場、植毛市場、発毛・育毛剤市場、ヘアケア剤市場の合計)は事業者売上高ベースで、前年度比101.3%の4,488億9,000万円であり、毛髪業市場が前年度実績を下回ったが、その他の市場は前年度をクリアした。特に植毛市場が好調であり、また、発毛・育毛剤市場とヘアケア剤市場も堅調に推移した。

2.注目トピック

~ヘアケア市場の分野別動向~

分野別に市場をみると、毛髪業市場では大手事業者が女性用レディーメイドかつら販売を強化しており、かつら利用につながる化粧品や美容家電等の周辺商材の販売を進めている。また、増毛は定額サービスを導入するなど多様なニーズに対応して、顧客開拓に注力している。
植毛市場では、植毛クリニックの増加による競争激化により、施術単価は軟化傾向にある。また、人工毛ではなく自毛植毛によるメスを使わない「FUE法」が人気となり、主流になっている。
発毛・育毛剤市場では、予防や進行抑制・改善などを目的に、医療用医薬品から化粧品まで幅広い製品群が流通しており、2018年後半から一般用(OTC)医薬品の発毛剤の特許切れ後、後発(ジェネリック)医薬品の上市が活発化している。
ヘアケア剤市場では、ボタニカル(植物由来の成分)訴求や、ダメージ修復、モイスチャー(皮膚に潤いを与える)効果を謳った製品、スタイリング効果を付加した複合型アウトバストリートメントなどの製品の人気が高く、さらにパーソナル志向の商材がメーカー各社から投入されており、客単価の上昇につながっている。

3.将来展望

2019年度の国内ヘアケア市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比100.7%の4,520憶円になると予測する。国内ヘアケア市場は、ストレスや生活習慣による薄毛人口の増加、高齢化や遺伝性、医薬品服用等の副作用などから生じる脱毛症状のケア需要、美容やファッション、アンチエイジング対策を目的とする毛髪ケア志向の高まりを背景に、今後も微増で推移する見込みである。