M&Aコラム
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EC事業のコンサルティングを行う株式会社ECIが、2023年1月にM&A事例を紹介するセミナーを開催しました。本記事では、自社の譲渡をご経験された元オーナー 早乙女様と、日本M&Aセンターの担当コンサルタント 龍石による対談の様子をご紹介します。

日本M&Aセンターに仲介を託した理由とは

ーM&Aによって、会社譲渡を検討された背景についてお聞かせください。

早乙女様: OBC(「オリジナルブランド商品構築コンサルティング」:株式会社ECIの提供サービス)には、2020年に入会しました。当時、まだ自社のブランドが何もなかった頃で、新型コロナが感染拡大する少し前というタイミングでした。
そして日本M&Aセンターによる仲介を経てこの度EXITを経験し、現在は海外に居住しております。

譲渡を決断するに至った背景としては、次の0→1(ゼロイチ)フェーズでのビジネス構築が進んでいること、社会情勢の変化の激しい状況下で、資金や人的リソースに不安を抱えていたことなどがありました。熟慮を重ねましたが、結果的に最も大きな決断ポイントとなったのは『父の経営している会社を支えたい』という思いでした。

ー日本M&Aセンターに仲介を依頼した理由についてお聞かせください。

早乙女様: 当時すでに、何社か直接企業からお声がけいただいていて、実際に譲渡先候補企業や、他のM&A仲介会社にも相談をしていました。

その中で日本M&Aセンターに依頼を決めた理由は、年間1,000件近く、1日平均2~3件の圧倒的な成約実績と、業界内でも膨大な買い手候補企業リストを持っているという情報量が決め手になりました。

その他、公認会計士や弁護士、税理士など士業の専門家チームによるバックアップサポート体制が手厚い点も安心感につながり、他のM&A仲介会社さんと比較する中で決め手になりました。

龍石 : ありがとうございます。日本M&Aセンターには、お客様と一緒に伴走するコンサルタントが約600名在籍し、月に約17,000件程度、企業様同士のマッチングを行っています。(2023年1月当時)

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早乙女様がおっしゃってくださったように、コーポレートアドバイザーという「法務、労務、税務」の専門家チーム体制で、複雑な論点が存在する中小企業のM&Aをしっかりとサポートしています。そうした部分を魅力に感じてくださったのだと思います。

着手金と成功報酬について

ー最近は「着手金無料」を訴求するM&A仲介会社が多い中で、着手金が発生することについて抵抗はなかったのでしょうか。

早乙女様: 今回私は、着手金と成功報酬をお支払いしたわけですが、「自身の会社にピリオドを打ち、今までの実績を正当に評価していただき、多角的に会社を見てもらう」という点では、M&Aの専門家によるコンサルティングの必要性を感じていました。

M&Aの条件交渉の場面では、譲渡先企業が優位になるのでは、という不安もありました。両社の間に入っていただき、着手金をお支払いすることで、そうした部分もしっかりカバーしてくれる『保険』になるのではと、個人的には思っていました。

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M&Aは譲渡後に思わぬリスクが発覚したり、トラブルになったりするケースがあるとも聞いていました。実際は契約の場面で、契約書面や提出書類の内容について、日本M&Aセンターの士業チームにしっかりチェックをしてもらったので「リスクを最小限に抑えられた」という実感があり、心強かったです。結果トラブルも回避できたので、成功報酬についても抵抗感はありませんでした。

龍石: 今ではM&Aは一般化していて、規模を問わず多くの企業様が成長戦略として買収を検討されています。つまり「他社と手を組みたい」と譲受けを検討されている企業様が非常に多くいらっしゃいますので、いわゆる『売手市場』と言われています。

しかし、だからといって交渉がスムーズに進むとか、どちらかが有利になるという訳ではありません。そこで我々が第三者目線で専門家としてアドバイスをさせて頂くことで、フラットに条件を詰めていくお手伝いが出来るのかなと考えます。

M&Aのプロセスについて

龍石: ここから、早乙女様にM&Aを進めるプロセスについて、お伺いできればと思います。

譲渡企業様がM&Aを進める際、まず自社のことを相手に知ってもらうため、「企業概要書」の作成というプロセスがあります。様々な資料収集など、ご協力いただく場面が多かったですが、当時を振り返ってみていかがでしたでしょうか?

早乙女様: どのように自分の会社が他社の目に映るのか、正しく情報を伝えるかという視点で、「会社がアピールしたいところ」や「会社の抱えているリスク」など伝えるべき情報を、日本M&Aセンターが真剣に考え作成してくれたので、問題なく進められました。

龍石: 一般的なM&Aでは「どういう事業、どういう会社か」がちゃんと伝わらないまま、交渉がスタートしてしまう事も少なくありません。

私たち日本M&Aセンターは、お客様の情報を資料や経営者様へのインタビューなどに基づき棚卸を行った上で、企業概要書にまとめていきます。良い部分だけでなく、きちんと伝えるべき情報を正しくお相手に伝えることで、その後の本格的な交渉の際もスムーズに進められるため、そういった部分を評価いただいたのだと思います。

―相手の候補企業はどのようにマッチングが進められたのでしょうか?

龍石: 日本M&Aセンターは、中小企業の企業評価を専門とするグループ会社で客観的で公正な株価算定を行います。その結果が記された企業価値報告書と、企業概要書をもとに、社内のコンサルタント約600名に譲渡企業様の情報として周知を行い、お相手にふさわしい候補企業を協議します。

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もちろんコンサルタントの目利きだけでなく、AIでのマッチングも活用して、お相手になりうる『譲受け候補先一覧』を作成し、お客様にリストとしてお渡しします。早乙女様は当時、このリスト一覧をご覧になっていかがでしたか?

早乙女様: 実際に共有されたリストは、数百社社ほどのリストでした。そのリストには名前がよく知られている大企業や、EC関連で有名な会社さんの名前もあって、素直に嬉しかったです。

龍石: その後、実際にお相手企業とマッチングされるわけですが、交渉を振り返ってみていかがでしたか?

早乙女様: 一般的にM&Aは半年とか1年かかると聞いていましたが、今回異例のスピードだったのではと思うくらい、トントン拍子で進みました。

譲渡先のご担当役員の方のレスポンスも非常に早かったです。交渉もスムーズに調整していただき、契約締結まであっという間で、安心感がありました。

譲渡を検討されている方へのアドバイス

龍石: 早乙女様は、冒頭お話しされていたように、当社にご相談いただく前は、他の譲渡先候補の企業様と直接交渉をされてらっしゃいました。その際、タイトなスケジュールで各種資料の提出を求められ、最終的に希望の提示額に届かない金額での交渉が入り、大変な想いをされていたと伺っています。

そうしたご経験を経て、早乙女様からM&Aを検討されている方に向けて、一言アドバイスをいただけますでしょうか?

早乙女様: M&Aによる会社の譲渡は、多くの人は1回限りだと思います。譲渡を視野に入れてらっしゃるのであれば、早い段階で経営者は『成立させるべく形にする』必要があると思います。

譲渡先候補企業から尋ねられるポイントは、共通するものが多くあるため、早い段階から譲渡・売却を意識した正しいベクトルで経営をされていくのが大事だと考えています。

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プロフィール

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龍石 泰樹(たついし・たいき)
日本M&Aセンター 業種特化事業部
大学卒業後、株式会社ファーストリテイリングにて小売事業、株式会社リクルート(旧株式会社リクルートライフスタイル)にて、美容業界向けの広告事業に従事。日本M&Aセンターに入社後は、美容業界の他、様々な業種を担当し、企業の存続と発展に向けたM&A支援に携わる。
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