2022年の住宅リフォーム市場規模は前年比5.7%増の7.3兆円(速報値)に
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、住宅リフォーム市場の短期的な市場トレンド調査を実施し、2022年第4四半期及び2022年計の市場規模(速報値)を公表する。
住宅リフォーム市場の四半期別の市場トレンド推移
住宅リフォーム市場の短期予測
1.市場概況
2022年(1~12月計)の住宅リフォーム市場規模は7兆2,982億円(速報値)、前年比で5.7%増と推計する。
「withコロナ」としての生活環境のなか、公私ともに居住空間で過ごす時間の充実を図ることが、コロナ禍前と比較すると大きな変化といえる。住宅・住環境関連への投資(住宅購入後のリフォーム需要への投資)やリフォーム関連消費が活発化したことによって、市場全体が拡大したものと考える。
分野別にみると、2021年(1~12月計)と比較して「設備修繕・維持関連」分野が前年比6.6%増と大きく伸長した。「家具・インテリア等」分野も同6.4%増と回復した。一方、「増改築工事(10㎡超+10㎡以下)」分野は同4.0%減であった。
2.注目トピック
2022年第4四半期の住宅リフォーム市場規模は前年同期比8.2%増の約2.1兆円
2022年第4四半期(10~12月)の住宅リフォーム市場規模は2兆0,579億円(速報値)、前年同期比で8.2%増と推計する。
国土交通省のこどもみらい住宅支援事業(令和3年度補正予算、令和4年度予備費等)が2022年秋口に補助金申請額の上限に達するといった見通しから、一部駆け込み需要が発生したことが過去四半期ベースのリフォーム市場規模において高水準になった一因と考える。
3.将来展望
2023年の住宅リフォーム市場規模は、6.8~7.5兆円で推移するものと予測する。
2023年は新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類感染症に移行され、行動制限がなくなることが想定される。これにより人々の行動が活発化し、これまで控えていたリフォーム以外の消費支出(レジャー・旅行・飲食等)が本格化するとみられることから、リフォームへの消費支出は減少するとみる。一方で、引き続き住宅・住環境関連への投資やリフォーム関連消費がある程度見込める場合には、リフォーム以外の消費支出を上回り、住宅リフォーム市場規模は堅調、あるいは拡大するものと予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2022年10月~12月(2022年第4四半期) 2.調査対象: 各種統計データ及び住宅リフォーム事業者 3.調査方法: 当社専門研究員による市場規模算出、及び文献調査 |
<住宅リフォーム市場とは> 本調査における住宅リフォーム市場とは、「10㎡超の増改築工事」・「10㎡以下の増改築工事」・「設備修繕・維持関連」・「家具・インテリア等」の4分野を指す。 なお、市場規模は国土交通省「建築着工統計」、総務省「家計調査年報」、総務省「住民基本台帳」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」を基に推計した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 住宅の躯体・設備等の修理・修繕・改装に関わる工事等 |
出典資料について
資料名 | ヤノ・レポート 2023年3月10日号 |
発刊日 | 2023年03月10日 |
体裁 | B5 66ページ |
価格(税込) | 年間購読 88,000円 (本体価格 80,000円) |
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