1%の本質を最速でつかむ「理解力」
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(本記事は、山口 拓朗氏の著書『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』=日本実業出版社、2022年5月20日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

理解力が高い人がしている能動的な読み方

読解力が高い人と低い人とでは、文章を読むときの意識に違いがあります。

理解力の高い人は、頭を使って能動的に読んでいます。

いわゆる「アクティブ・リーディング」です。

「理解できるだろう」ではなく、主体的、戦略的に「理解するための読み方」を実践しているのです。

一方、理解力の低い人は、受動的な読み方をしています。

中には、とくに何も考えず、文字ヅラだけを目で追っている人も。

そういう読み方をしていると、せっかく読んだのに、何も頭に入っていない(理解していない)という残念な結果になりかねません。

では、理解力の高い人がしている「能動的な読み方」とは、どういう読み方なのでしょう。以下にポイントを挙げます。

● 大枠での読み方

①「自分がこの文章を読む目的」を考えながら読む
②「この文章の結論は何か」と考えながら読む
③「結論を支える根拠は何か」と考えながら読む
④「この理解で本当に正しいのか?」と疑いながら読む ※「理解したつもり」にならない

● 読む前の準備

① 目次や小見出し、タイトルなどがある場合は、事前に目を通す(全体を把握する)
② 読み終えたらアウトプットする(書く・話す・説明する)と決める

● 読書中の思考

① 既存の「理解の箱」と結びつけて読む(共通点や相違点についても考える)
② 仮説を立てて、先を推測(予測)しながら読む
③「なぜ?」「何が?」「どういう意味?」などツッコミを入れながら読む
④ 段落ごとに「何が書かれているか」を考えながら読む→段落ごとに要約する
⑤「段落同士のつながり」を考えながら読む→接続詞にも注目する

● 読書中の行動

① 記憶に残したいところ、大事なポイントに線やマーカーを引く
② 大事なところはメモを取る(全文を写すのではなく、ポイントのみ書き出す)
③ 書いてあることを、図や表にまとめる

● 読書中、わかりにくいときの行動

①「自分が何をわかっていないのか」を考えながら読む
② わかりにくい箇所は、スピードを落として注意深く読む
③ わかりにくい箇所は、何度か戻って読んでみる
④ 知らない言葉は、その場で調べる

● 読後の行動

① 読み終えたらアウトプットする(書く・話す・説明する)
② その本の内容についての質問を受け、その質問に答える
③ 勉強などの場合、理解できていない箇所だけノートにまとめる

以上がアクティブ・リーディングのポイントです。

できそうなものから取り入れてみましょう。

アクティブ・リーディングを習慣化することによって、読解力と理解力がアップし、脳内ライブラリーも充実・活性化しやすくなります。

はじめは読むスピードが遅くても気にする必要はありません。

慣れてくるにしたがって、文章を読むスピードも速まっていくはずです。

『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』より
(画像=『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』より)
1%の本質を最速でつかむ「理解力」
山口 拓朗
伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。
現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。 著書は『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(共に日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術――「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか25冊以上。中国、台湾、韓国など海外でも15冊以上が翻訳されている。
文章術、伝え方のノウハウ書籍が多いが、本書で伝えている「情報を的確に理解するための技術」など、本質をとらえたノウハウも高く評価されている。

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