1%の本質を最速でつかむ「理解力」
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(本記事は、山口 拓朗氏の著書『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』=日本実業出版社、2022年5月20日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

相手が理解しているかどうかを見抜く方法

こちらが伝えたことを相手が理解しているかどうかを見抜く方法があります。

それは、相手にそのことについて説明させる、というもの。

相手がいくら口で「理解しました」と言っても、本当に理解したかどうかはわかりません。

それゆえ、本人の口から説明させるのです。相手が理解できていれば、そのことについて説明することができますが、理解できていなければ、説明の中でズレや誤りが生じるはずです。

「○○の説明をしてみてください」
「確認のため、○○について話してみてください」
「○○について教えてください」

このような言葉を相手に投げてみましょう。

もちろん、相手の説明を聞くあなたの「聞く力」も問われます。

相手がポイントを押さえているかどうか、その意味を適切に理解しているかどうか、流れをつかめているかどうか、目的を理解しているかどうか、すべき行動を理解しているかどうか―― など、テーマに応じて適切に判断する必要があります。

相手が明らかに間違った説明をしたときは、その箇所を指摘してあげましょう。

また、相手の言葉に不自然さや違和感を抱いたときも、相手が正しく理解できていない(理解がズレている)恐れがあります。

そういうときは、「△△というのは、どういう意味ですか?」「△△の部分をもう少し詳しく説明してみてください」「もしも□□の場合、△△はどうなりますか」―― など、掘り下げる質問をし、相手の理解度合をていねいに計る必要があります。

もちろん、あなたが「この人は理解できていない(理解が浅い)」と判断したときは、正しい理解へと導くべく、解説や補足説明を行なう必要があります。

あなたのナビゲートによって相手が理解へと到達できたとき、相手はもちろん、あなた自身も喜びを感じるでしょう。

1%の本質を最速でつかむ「理解力」
山口 拓朗
伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。
現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。 著書は『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(共に日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術――「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか25冊以上。中国、台湾、韓国など海外でも15冊以上が翻訳されている。
文章術、伝え方のノウハウ書籍が多いが、本書で伝えている「情報を的確に理解するための技術」など、本質をとらえたノウハウも高く評価されている。

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