日本フードサービス協会(JF=ジェフ、近藤正樹会長)が協会会員を対象に行った月次外食産業市場動向調査結果の取りまとめによると、2022年(1月~12月)の外食産業市場売上は113.3%と前年を上回るも、飲酒業態はコロナ前の2019年の半分以下にとどまった。
コロナ禍3年目となった2022年の外食産業は、3月にまん延防止等重点措置による営業制限が解除され、価格改定による客単価上昇もあり、全体売上は前年比113.3%となった。しかし、営業制限解除後も、夜間の外食需要と企業等の大口宴会需要はなかなか戻らない状況が続き、2019年比では売上94.2%となった。
また、業態間に明らかな差が見られ、ファーストフード(特に洋風ファーストフード)以外はコロナ前の売上を回復しておらず、特に、21年に酒類の提供制限で大きな影響を受けた「パブレストラン/居酒屋」は19年比では売上 49.2%となっている。さらに2月に始まったロシアのウクライナ侵攻や日銀の金融緩和政策に起因する原材料費やエネルギーコスト等の高騰、人手不足による売り上げ機会のロスなどが、回復途上の外食産業の経営を圧迫している。
業態別では、21年比/19年比で、「ファミリーレストラン」は118.1%/83.8%、「ディナーレストラン」は131.7%/76.6%、「喫茶」は116.8%/80.0%、「パブレストラン/居酒屋」は180.9%/49.2%。このように店内飲食業態は、回復基調にあるものの、コロナ前には戻っていない。
一方、「ファストフード」は107.9%/108.6%となっており、引き続き、「洋風」を中心にテイクアウト・デリバリーの下支えに加え、注文方法の多様化などによる顧客利便性の向上などもあり、売上好調を維持している。