2021年度のトイレタリー市場規模は、前年度比96.9%の2兆635億600万円とマイナスに転じるも2兆円の大台を維持
~高付加価値製品の販売強化による収益確保を推進するも、コロナ禍における特需の反動もあり、市場はマイナスに~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のトイレタリー用品、主要50品目の市場を調査し、市場規模や品目別動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
トイレタリー用品市場規模推移・見込
1.市場概況
2021年度の国内トイレタリー市場規模(メーカー出荷金額ベース、5分野50品目)は、前年度比96.9%の2兆635億600万円とマイナスに転じるものの、大台の2兆円は維持した。
参入メーカー各社は数量から質ベースに高付加価値製品の販売で収益確保の取組みを強化したが、一方で前年度のコロナ禍での特需から、ウェットティッシュやハンドソープ、衣料用漂白剤など反動減となる品目も目立つなど、トータルではマイナスとなった。
2.注目トピック
特需の反動減が発生も、衛生意識の継続で安定した需要が見込まれる
新型コロナウイルス感染症拡大により、2020年度に爆発的に需要が拡大した家庭用マスクやウェットティッシュ、ハンドソープ等の衛生関連商品も、その多くが2021年度には需給ひっ迫が解消されて家庭内での備蓄もひと段落するなど、特需の反動減から成長率がマイナスに転じている。もっとも、これらの商材は2021年度も感染拡大前を大きく上回る市場規模で推移しており、コロナ禍を契機に生活者にはより高い衛生意識が醸成されていることもあり、今後も安定した需要が見込まれる。
3.将来展望
トイレタリー市場の今後は、①少子高齢化社会に対応した商品・販売戦略の推進、②価格改訂による消費者の購買心理に対する影響、③ロシアによるウクライナ侵攻やゼロコロナ政策緩和による中国市場への影響、等の要因がどのようなインパクトを与え、市場に作用するかが注目される。
調査要綱
1.調査期間: 2022年10月~12月 2.調査対象: トイレタリーメーカー、その他関連企業等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送アンケート調査、業界団体等調査、ならびに文献調査併用 |
<トイレタリー市場とは> 本調査におけるトイレタリー市場規模は、主として日用雑貨ルートを通じて販売される製品、「衣料関連(衣料用合成洗剤、柔軟仕上剤等7品目)」、「ホームケア関連(台所用洗剤、ラッピングフィルム、芳香・消臭剤、殺虫剤等16品目)」、「フェイス・ボディケア関連(ボディシャンプー、ハンドソープ等10品目)」、「オーラルケア関連(歯磨き粉、洗口液等6品目)」、「サニタリー関連(トイレットペーパー、ティッシュペーパー、大人用紙おむつ等11品目)」の5分野合計50品目を対象として、メーカー出荷金額ベースで算出した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> ①衣料関連(衣料用合成洗剤、ファッション洗剤、柔軟仕上剤、衣料用漂白剤、衣類・布製品用消臭剤、防虫剤、防水剤)②ホームケア関連(台所用洗剤、キッチンクリーナー、ラッピングフィルム、レンジ・オーブンシート、アルミホイル、家庭用手袋、冷蔵庫用脱臭剤、台所用除菌剤、食器洗い機用洗剤、バス用洗剤、芳香・消臭剤、除湿剤、住居用洗剤、家庭用ワックス、トイレ用洗剤、殺虫剤)③フェイス・ボディケア関連(浴用石鹸、ボディシャンプー、ハンドソープ、制汗剤、入浴剤、ハンドクリーム、化粧綿、替刃、ディスポーザブル剃刀、シェービング料)④オーラルケア関連(歯磨き粉、歯ブラシ、洗口液、義歯安定剤、義歯洗浄剤、デンタルフロス)⑤サニタリー関連(ベビー用紙おむつ、大人用紙おむつ、生理用品、軽度失禁用品、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、タオルペーパー、トイレットペーパー、クッキングペーパー、家庭用マスク、あぶらとり紙) |
出典資料について
資料名 | 2022年版 トイレタリー用品マーケティング総鑑 |
発刊日 | 2022年12月26日 |
体裁 | A4 260ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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