食品産業新聞社
(画像=食品産業新聞社)

先行していたごま油メーカーに続いて、加工ごまメーカーの価格改定の取り組みが進んでいる。

業務用ではこの春にも実施されていたが、秋から家庭用の価格改定が本格化した。ただ、為替の影響を含む原料高騰や、包材費、電気代をはじめとする燃料費を筆頭にさまざまなコストアップが続いており、「かつてないコスト高」(メーカー)のなか、来年もさらなる値上げが必至の状況となっている。需要喚起策では、加工ごまメーカー、ごま油メーカーともに、記念日「ごまの日(11月5日)」の取り組みが徐々に増えてきた。ごまの認知度アップと需要拡大につながることが期待される。

来年の値上げをすでに発表しているのは、真誠、竹本油脂など数社だ。真誠は4月1日からの業務用製品の価格改定に続いて、11月1日から家庭用製品の価格改定を実施。さらに203年2月1日出荷分より業務用製品の価格改定を実施する。

竹本油脂は7月の価格改定に続いて、2023年2月1日出荷分から、業務用のごま油製品、食品ごま製品、ねりごま製品の価格改定を行う。「焙煎したごまの風味は代替のきかないものではあるが、使用量減、ブレンド油への置き換えのリスクが今まで以上に高まっている」(竹本油脂)とし、ごま油の魅力・価値を改めて訴求し、使用継続を促す取り組みが必要と指摘する。その他にも来年の実施に向けて取り組みを進めているところ、検討中のところが散見され、コスト環境が悪化する中、さらなる値上げは必至の状況だ。

需要喚起策では、記念日「ごまの日(11月5日)」の取り組みが増えてきた。同記念日を2017年に制定した全国胡麻加工組合は、SNSの活用を含め、ごまの日に向けた情報発信を地道に続けている。トピックスとしては、宅配ピザチェーンのドミノ・ピザが、「ごまの日(11月5日)」限定で「セサミガーリッククラスト」への生地変更を、通常全サイズ「プラス99円」のところ、特別に無料で提供した。ドミノ・ピザは、2022年8月22日から「セサミガーリッククラスト」を販売している。人気クラストのピザを通して、多くの人にごまのおいしさに触れてほしいと、「ごまの日」限定で実施した。

全国胡麻加工組合は、「全都道府県に947店舗を展開しているドミノ・ピザで、ごまを使った生地が採用されているのは、ごまの普及をするうえでありがたい。セサミガーリッククラストで、おいしいごまをたくさん食べて、ごまの魅力にもっと触れて、ごまから元気パワーをもらってほしい」としている。

各社の取り組みでは、かどや製油は自由が丘にある同社のごま専門カフェ「goma to」(ゴマト)で「ごまの日」を記念して、12月5日から20日まで期間限定で「たっぷりごまとベリーのパフェ」を提供した。また、業務提携している真誠と竹本油脂がコラボし、「ごまの日」の店頭企画を全国で実施、認知アップに努めた。

〈大豆油糧日報2022年12月26日付〉