求人サイト「ショットワークス」を運営するツナググループHCは2022年7月、日払い・単発バイトに特化した“選考なしですぐ働ける”アルバイトマッチングアプリ「ショットワークス コノヒニ」(以下、コノヒニ)の正式サービスを開始した。
求人する職種は、従来の単発アルバイトとして一般的な物流倉庫やイベント、引っ越しといった仕事だけでなく、飲食店スタッフの仕事も取り扱っている。具体的には個人経営のラーメン屋やコーヒーチェーン、寿司屋、料亭などが「ホールスタッフ」「調理補助」「皿洗い」といった仕事内容で募集しているという。
ツナググループHCの杉﨑氏は食品産業新聞社の取材に、「コロナ禍前の2019年比で見ると、単発の求人は増えている」と話した。
コロナ初期はアルバイト先の店舗が営業休止になったことで、収入を補いたい応募者が増えた。感染状況が落ち着いている局面では、営業したいのに陽性者や濃厚接触者の発生でレギュラースタッフが欠勤するなど、人手不足に苦しむ飲食店の需要が増した。また、働き方やライフワークの変化によって、本業がある人でも、空き時間の活用としてギグワーク(単発の仕事を受ける働き方)が広がっていることも影響している。
「コノヒニ」のサービスの特徴は「自動マッチング」。応募者側は、アプリで氏名、生年月日、住所、制服サイズ、給与受取口座、本人確認書類などを登録する。求人情報は、登録住所にあわせて日時や業種ごとに表示され、その中から応募。面接や履歴書は必要なく自動でマッチングする。生成されたQRコードを仕事場でかざすことで、出退勤状況を管理する。給与支払いもツナググループが代行し、当日中にアプリ内で受け取ることができる。
一方、店舗側は、求人情報に「飲食店経験者のみ」などの条件を自由に記載することができる。募集は最短で勤務開始1時間前まで可能なため、「急に予約がたくさん入った」「レギュラースタッフに欠勤が発生した」といった場合にも活用できる。利用料金は、1稼働1500円(税別)。料金発生のタイミングは、求人掲載時やマッチング時ではなく勤務時。「お気に入り機能」や「ブロック機能」があり、一度働いてもらって、また来てほしい人のみに求人を出すこともできる。
なお、「コノヒニ」を利用して、「レギュラースタッフとして働いてもらいたい・働きたい」となった場合の採用活動は自由で、料金は発生しない。杉﨑氏は「働き手と雇い手、双方の“お試し”としても利用されている」と話す。
応募者は40歳以下が85%で、25~30歳が多く、サラリーマンなどダブルワークで利用している人もいるという。現在の求人エリアは、一都三県や大阪、名古屋などが主で、徐々に拡大していく方針だ。
「単発の求人や働き方が2019年から増加しており、今後も増えていくと見ている。(単発求人に対する)店舗オーナーの抵抗感も数年前から大きく変わった実感がある」(杉﨑氏)
これまで単発で採用できなかった業種でも、単発サービスが使えるような募集の仕方によって、さまざまな業種に広がっていく可能性があるという。