コロナ禍からの更なる市場回復が期待される一方、特需で大幅にアップした製品については反動減の可能性
~2022年度のME機器(診断機器)市場規模は前年度比4.6%増の3,813億円と予測~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のME機器(診断機器)市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
本調査では、病院や一般診療所、健診センター等で使用されるME(Medical Engineering)機器のうち、32項目(37製品・57分類)の診断機器を対象としている。
2021年度の市場は、新型コロナウイルス感染拡大により手術などの症例数減による病院経営の悪化やそれに伴う予算執行の延期があった前年度からやや回復傾向にあり、さらに放射線科に設置される大型画像診断装置、X線CTや新型コロナウイルス感染症患者の経過観察・診断に使用する機器などが、新型コロナウイルス関連の補正予算により大幅増となった。2021年度のME機器(診断機器)市場規模は、前年度比10.5%増の3,645億5,200万円と推計した。
2.注目トピック
生体機能検査装置・生体情報モニタ(高級・中級品)
生体機能検査装置・生体情報モニタ(高級・中級品)市場は、大規模施設から一般診療所に設置されている生体情報モニタや、心電計、脳波計・誘発電位検査装置等の検査室製品に各科固有の製品を含んでいる。
内訳をみると、生体情報モニタでは新型コロナウイルス関連の補助金や患者対応で前年度に引き続き病棟向けで販売が拡大、冠血流予備量比(FFR)測定装置も成長トレンドにある。逆に、前年度に補助金を活用したセット購入などがあった赤外線酸素飽和度モニタはその反動から減少傾向にあるものの、市場全体ではプラス推移となり、2021年度の生体機能検査装置・生体情報モニタ(高級・中級品)市場規模は、前年度比8.0%増の600億3,000万円と推計した。
3.将来展望
今後、コロナ禍からの更なる市場回復が期待される一方、コロナ特需で大幅にアップした製品については反動減の可能性がある。2022年度のME機器(診断機器)市場規模は、前年度比4.6%増の3,813億3,300万円と予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2022年4月~9月 2.調査対象: 国内メーカー及び輸入製品の製造販売業:販売元 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による取材調査、ならびにアンケート調査併用 |
<ME機器(診断機器)市場とは> 本調査におけるME(Medical Engineering)機器市場とは病院や一般診療所、健診センター等で使用される診断機器、CTやMRI、各種X線撮影装置、超音波診断装置に代表される画像診断装置や、生体情報モニタや心電計等に代表される生体計測機器、内視鏡システム(外科系含む)、各科特有の製品等、32項目(37製品・57分類)を対象とした。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 心電計、生体情報モニタ、ポリグラフシステム、EEG・EMG、内視鏡、ハンディタイプ内視鏡、極細径内視鏡・細径内視鏡システム、超音波画像診断装置、IVUS・ICUS・ICE、医用X線CT装置、MRI、血管撮影X線装置/循環器X線撮影装置、外科用X線テレビ装置/回診用(移動型)X線装置、PET、脳磁計、骨密度測定装置、イメージャー/プリンター、自動現像機、サーマルビデオプリンター、CR・DR・FPD、FFR、(連続)心拍出量装置・CCO・連続モニタリングシステム、パルスオキシメータ、赤外線酸素飽和度モニタ、経皮血液ガス分圧測定装置、血流計、麻酔ガスモニタ、非観血式自動血圧計、(医科向)電子体温計、深部体温測定装置、ウロダイナミクス・ウロフロメータ、聴診器 |
出典資料について
資料名 | 2022年版 機能別ME機器市場の中期予測とメーカーシェア(診断機器編) |
発刊日 | 2022年09月27日 |
体裁 | A4 561ページ |
価格(税込) | 132,000円 (本体価格 120,000円) |
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