「イオン天王町ショッピングセンター」外観
(画像=「イオン天王町ショッピングセンター」外観)

イオンリテールは10月18日、横浜市保土ヶ谷区内で「イオン天王町ショッピングセンター」をオープンした。

核テナントの「イオンスタイル天王町」と、42の専門店で構成されている。イオンリテール最新の取り組みを多く取り入れており、冷凍食品では外食店の商品を取り入れたほか、人気のスイーツなども幅広くそろえた。オープン当日には約2000人が並ぶなど、地元からの期待の大きさを感じる店舗だ。

「イオン天王町ショッピングセンター」店内の様子
(画像=「イオン天王町ショッピングセンター」店内の様子)

横浜市保土ケ谷区は横浜市のほぼ中心に位置している。「イオン天王町ショッピングセンター」最寄り駅の「星川駅」と「天王町駅」から横浜駅までは約5分で着く。3km圏内には約18万6千世帯、約35万人が住んでおり、20~50歳代の構成比が高く、1km圏内には小学校が10校あるなど、若年ファミリー層も多く住んでいる。開発道路の新設や大型マンションの建設も近接地で進みつつあるようだ。

「イオン天王町ショッピングセンター」は、高齢者から若年層までの幅広い人から支持される店を目指したという。コンセプトは、生活者起点で地域とつながる普段使いの体験拠点だ。2020年に閉店した「イオン天王町店」を建て替えて、近隣住民や従業員の声も反映した売り場づくりを行った。生鮮食品などを強化した地域最大級の食品フロアや、男性でも入りやすいキッズゾーン、要望の多かったカフェやフードコートなども取り入れた。

冷凍食品売場は、千葉・新浦安でオープンした「@FROZEN」に次ぐ規模で、約1000種の商品をそろえた。「俺のイタリアン」や「俺のフレンチ」の人気メニューを厳選し、店舗と同じレシピを商品化したイオンリテール限定商品を展開しているほか、横浜中華街の人気店「耀盛號(ようせいごう)」などの冷凍餃子を充実させた。他にも「エリック・サウス」の冷凍カレーや、ロイヤルホールディングスで展開の「ロイヤルデリ」、すかいらーくグループの商品なども充実している。

近接する各国の食料品をそろえた店舗の「カフェランテ」では、ホテルで提供している冷凍ブレッドをイオンリテールで初めて導入したほか、クロワッサンドーナツ、シナモンロールなどの洋風冷凍スイーツも展開している。

10月13日~17日まで実施された近隣住民向けのプレオープン時には、飲食店の商品を買い求める人が多くおり、特に高齢者の姿が目立ったようだ。広報担当は「新しい食の楽しみ方としてシニア層からの販売が順調に推移している。店舗の味を手軽に楽しんでもらえるという点でも非常に良かったのでは」と話す。

10月18日には報道向けの説明会も行われた。その中で、中野公現店長は「4日間のプレオープン期間に約10万人が来店するなど計画を大きく上回る進捗だった。売上も計画を2割以上上回るなど好調な滑り出しだ」と振り返る。冷凍食品については「横浜周辺でこれだけの品ぞろえはない。ワンストップで購入できるという点でも近隣のニーズを掴めたのでは」と話す。

イオンリテールの井出武美社長は、今後について「(物価上昇などで)生活者の防衛意識は一層高まるだろう」と語る。その中で「値ごろ感のあるものと、付加価値の高い商品の両面で対応していく。ブラックフライデーなどの商戦も控えており、消費を喚起できれば」と話した。

〈冷食日報2022年10月19日付〉