すかいらーくホールディングスが展開する冷凍食品
(画像=すかいらーくホールディングスが展開する冷凍食品)

すかいらーくホールディングスは冷凍食品の販売を強めている。テイクアウトだけでなく、成長分野である冷凍食品の取り組みを強めることで、新たな売上の確保を進める。商品本部HMDグループディレクターの奥井浩司氏と、HMDグループ通販・配食事業チームリーダーの池島徳彦氏に聞いた。(文中は敬称略)

すかいらーくホールディングス 商品本部HMD・グループディレクターの奥井浩司と、HMDグループ通販・配食事業チームリーダーの池島徳彦氏
(画像=すかいらーくホールディングス 商品本部HMD・グループディレクターの奥井浩司と、HMDグループ通販・配食事業チームリーダーの池島徳彦氏)

――販売を始めたきっかけは。

池島:コロナの影響でイートイン利用が減っており、その中で会社として新たな成長につなげるべく展開を始めた。中食内食の需要も高まっていたため、そこにアプローチしたいという考えがあった。

奥井:テイクアウトも強化を進めていたが、これまであまり取り組んでいなかった分野にトライしてみようという話になり、展開を始めた。冷凍食品だけでなく、常温品も販売を行っている。

取り組みを進め始めたのは2020年の11月頃で、その時は外販の売上はない状態で、そこから提案などを進め、多くのスーパーから注目していただけるようにもなった。実験的に導入してくれる店舗も増えてきている。

池島:さまざまな取り組みが進み、今は自社の通販サイトだけでなく、楽天やアマゾンでも販売しており、商品も16品まで増えた。冷凍食品はレトルト食品よりもメリットがあると感じている。技術も高まっており、当社でもより簡単に調理できる商品の開発を進めている。

――現在の戦略は。

奥井:コロナ禍で冷凍食品の売上は上がったと聞く。その中で、スーパーやコンビニでは冷凍食品の売場を広げている。以前の冷凍食品のイメージは「美味しくない」だった。

しかし今は、技術の発達で美味しいことが知られ、大きく支持を広げた。また、ロス削減にも役立つなど多くのところで見直されている。我々も、自社アプリから通販サイトに誘導できるようにしたほか、バーミヤン全店ではテイクアウトで「冷凍生餃子」を販売している。

池島:最近では、スーパー新店やリニューアル時に、レストラン関連の商品をコーナー化することが増えている。そこで導入されるよう、私たちも取り組みを進めたい。

奥井:すかいらーくグループは和食や洋食、中華など幅広いカテゴリーの10以上のブランドを持ち、それぞれが看板メニューを持っている。「あの料理を食べたい」という声もあり、看板メニューを冷凍食品として投入することを戦略的に進めている。今後は商品を充実させると共に、スーパーや生協などとの取り組みを進められればと思う。

――人気商品は。

池島:バーミヤンの冷凍生餃子や、ガストの「チーズin ハンバーグ」、3月から導入したバーミヤンのチャーハンが人気だ。メキシカンピラフも支持されている。各ブランドを代表する商品は投入しており、今後も新商品の投入を進めていく。また、留め型の商品も視野に取り組めればと思う。

奥井:ある展示会では外食企業がこぞってブースを出店しており、競争は激しくなると感じる。価格的には一般的な冷凍食品よりも高い商品だが、そこは付加価値のある商品として提案していく。

――今後の戦略は。

奥井:スーパーで支持されるような商品を展開できればと思う。ニーズを把握して、商品開発を進めていく。今は冷凍食品がブームとなっていて、すかいらーくグループを知っていてくれることもあり、好意的な声が多い。食品を扱う企業として継続的に良い商品を供給したい。売上も現在の倍まで伸ばせたらと思う。

また、自社アプリを通じて販売を広げていく。これまでに550万DL を突破しており、会員にメールマガジンを配信してお得な情報を届けている。コロナの感染状況によって通販の売上も変化しており、外出を控える傾向にある時に情報を発信し、販売につなげていく。

〈冷食日報2022年8月30日付〉