株式会社シティホームズは「東京都心の駅近好立地」に特化し、収益商業ビルを企画開発、テナントを誘致し、投資家に売却する事業を営む企業だ。収益商業ビル「THE CITY」シリーズは、集客にこだわった高いデザイン性のガラスカーテンウォールを採用し、テナントが出店しやすいコンパクトなサイズ感もニーズにマッチしており、販売も一棟販売、不動産小口化商品販売いずれも好評を博している。同社はビルの新築プロジェクトに際してソーシャルレンディングを活用しており、特典として提供する、子会社運営の「麻布十番 焼肉BULLS」の優待券や焼肉セットのファンも多い。「私たちにしか創れないビルが東京の街を変え、お客様の明るい未来を創っていくことが我々の使命です」と語る須田俊之代表取締役が、「THE CITY」シリーズへのこだわりや今後の可能性を語った。
国内外でホテル事業に携わり“銀河系軍団”のツアーも担当
――これまでどのようなキャリアを歩まれたのか、簡単にご紹介いただけますでしょうか。
沖縄のホテルに勤務していた時に、東京全日空ホテル開業のお話を聞いたことをきっかけに全日空エンタプライズ株式会社に入社し、20年間にわたってホテルの開発や運営管理業務に携わりました。そのうち10年間はグアムやワシントンDC、香港やシドニーなどで海外勤務を経験し、レストラン部門の責任者を務めたり、海外ホテルの運営管理やホテルの買収、国内外のホテルの運営統括などを担当したりしました。
2001年には、日韓で共催されたサッカーのワールドカップに向けてFIFA(国際サッカー連盟)からの依頼を受け、全日空エンタプライズからの出向という形でFIFA Marketing AGに移り、日本地区10会場のホスピタリティ事業プログラムを統括する業務を担当しました。
2004年にはスポーツマーケティング事業や飲食事業を展開する会社に転職し、レアルマドリードジャパンツアーのオペレーションを担当しました。チャーター機の手配から成田空港の入菅税関検疫警察空港公団等の調整、ホテルや食事、パーティーの企画運営、車両などのロジスティック、セキュリティ、チームホスピタリティなど、試合以外のすべての運営を指揮する業務でした。その後、飲食事業会社の役員としてレストランの運営や新規事業の立ちあげなどに携わり、そして、現在の会社に縁があり入社しました。
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飲食事業から不動産事業へ
――2012年には社名がシティスコープ株式会社に変わり、その代表取締役に就任されています。
2012年に同社の全株式を買い取り、代表取締役に就任し、社名を変更しました。同年3月に麻布十番にあった焼肉店を居抜きで買い取り、一部内装をニューヨークモダンにして、スタッフも新たに採用し、「麻布十番 焼肉BULLS」という店名にリブランディングしてオープンさせたのが最初のプロジェクトです。
――飲食事業から不動産事業へ方向転換をしたのはどのような理由からだったのでしょうか。
私自身、もともとホテルやレストランの企画開発や大規模リノベーション等の業務に携わっており、業態開発や物件の再生、リノベーションに関して十分な知識と経験がありました。それを活かすべく、「麻布十番 焼肉BULLS」をオープンさせた2年後に宅地建物取引業の免許を取得し不動産事業に参入しました。
最初は中古の区分マンションを買い取ってリノベーションをかけ、3,000万円から8,000万円の価格帯で再販するという事業を始めました。およそ100戸を扱い、2017年には高級戸建事業に参入するとともに、将来的には住宅事業が当社の中心になるという考えから社名を株式会社シティホームズに変更しました。
高級戸建事業では自由が丘や目黒などの高級住宅街の土地を買い、1億3,000万円から1億5,000万円の高級戸建住宅を手がけました。その後、さらに利益率の高い事業へと拡大していきたいという想いから、飲食店経営と不動産開発それぞれのノウハウを融合させた商業店舗ビル事業を2017年にスタートさせました。
最初は渋谷の神泉に25坪の土地を購入し、4階建ての飲食ビルを建てました。すぐにテナントが埋まり、1棟丸ごとの買い手も見つかって売却できたので、その勢いで白金に隠れ家的な土地を買い、同じく4階建ての飲食ビルを建てたところ、ここもすぐにテナントが埋まって売却できました。これを機に続々と事業用地を仕入れ、購入する土地の面積も徐々に広くなり、ビルの階数も高くなり、商業店舗ビル事業を拡大していき、今に至ります。
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「THE CITY」シリーズと東京へのこだわり
――現在の事業内容について、改めて解説をお願いします。
「東京都心の駅近好立地」に特化し、25坪から50坪の土地を仕入れ、そこに集客にこだわった高いデザイン性のモダンな収益商業ビル「THE CITY」を建て、テナントを誘致し、利回り物件として国内外の投資家に売却するというビジネスです。
収益一棟建物には、マンション、オフィスビル、商業店舗ビルという3つの業態がありますが、商業店舗ビルは1坪当りの家賃収入を最も最大化できるビル業態なので、ここに着目し事業を手がけています。今では、麻布十番、西麻布、南青山、神宮前などの人気の高い好立地も含め、40棟にも及ぶプロジェクトを手がけており、収益商業ビルのリーディングカンパニーを目指して事業展開を進めています。
ビル事業開始から4年、決算も2018年度の売上高35億円から、2022年3月期には142億円の売上高を記録することができました。
テナントも当初は飲食店が中心でしたが、今では美容室やデンタルクリニック、スパ、ネイルサロンなど、出店意欲が旺盛な業態の店舗が入居しています。
加えて、これまでは1棟ごとの販売を進めてきましたが、不動産特定共同事業免許を取得し、ビル一棟を小口化して販売する不動産小口化商品「THE CITY SHARE」の販売も始めました。THE CITY代官山とTHE CITY中目黒の2棟を不動産小口化商品として販売したところ、好評を博し早期完売しました。
また、100%子会社として、株式会社シティダイニング、株式会社シティプロパティーズの2社があります。当社は「麻布十番 焼肉BULLS」から事業をスタートしましたが、現在では飲食事業を株式会社シティダイニングとして分社化し運営しています。新宿、中野坂上、月島、麻布十番の焼肉BULLS業態4店舗、すっぽん・ふかひれ「銀座まる市」、Italian Bar ROMANO 麻布十番、そして「銀座 まる市」のDNAを継承した居酒屋「麻布十番 居酒屋 あさごや」の計7店舗です。ここ数年はコロナ禍にありましたがどの店舗も評判が良く、多くのお客様にご贔屓にしていただき、順調に推移しております。
もう一つの子会社である株式会社シティプロパティーズは不動産のビル管理を行う管理会社で、当社の特色である「企画開発、リーシングからビル管理まで」一気通貫でビル事業を進めており、ビル売却後のビル管理業務を請け負っています。
――「THE CITY」シリーズの収益商業ビル事業は東京都心で展開しているということですが、その理由を教えてください。
まず、収益商業ビルに特化しているのは先ほどお伝えしたとおり、家賃収入を最大化でき、高い収益性が見込めるからです。そして東京の都心に特化していることについては、東京は世界が認める不動産投資対象都市であり、土地の価値が安定しており、将来性を大きく見込める場所であることに他なりません。
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ソーシャルレンディングで事業拡大と知名度アップを
――企業として大切にしていることを教えてください。
私たちの目指すところは「私たちにしか創れないビルが東京の街を変え、将来性あるお客様の資産運用を支え、お客様に喜んでいただける明るい未来を創っていくこと」です。他の会社がやらない、やれない、当社にしかできないことを実現し、お客様に喜んでいただくために、時間と資金をかけて、土地の仕入れから、ビルを建て、リーシングし、販売しています。お客様に喜んでいただけることに社員全員が喜びを感じられるような会社を目指しています。
そのために重視しているのは信頼関係ですね。企業理念として「信頼と価値ある未来の創造」を掲げていますが、信頼関係がなければ、何事もできません。お客様に喜んでいただけることも達成できません。我々はビルを売却した後のビル管理もしていきますので、お客様との信頼関係なくしては成り立ちません。そのため「信頼」関係を最も重要視しています。
――過去にもソーシャルレンディングを実施していますが、活用し始めたきっかけと、再度取り組む理由を教えてください。
ビルを建てるためには、事業資金が必要になります。土地購入代金や建築代金の一部などは金融機関から借り入れますが、それ以外にも、設計費や解体費、業務委託料など、様々な費用がかかります。今までは自社の資金で補っていましたが、その部分をソーシャルレンディングで調達できれば、より多くのプロジェクトを遂行し、拡大していくことができるとの考えから活用を始め、その後も取り組み続けています。今後も新しいビルプロジェクトが立ちあがり、そこで資金が必要になった場合は、新たな時代の資金調達策として、ソーシャルレンディングを実施したいと考えています。
――ファンドの活用でどのような成果・影響がありましたか。
もちろん資金の調達は大きな成果ですが、当社や「THE CITY」というビルの知名度アップにも大きな効果を生みだしていると思います。また、投資してくださった方々への特典として「麻布十番 焼肉BULLS」の優待券や焼肉セットなどを、プラスアルファの付帯価値としてお付けしていますので、これらの飲食店を知っていただくという部分においても大きな成果が出ています。
実際、Twitterなどをチェックすると喜んでいただいている声、次のソーシャルレンディング実施を期待する声なども見られますし、認知度が高まり、当社の商品を買ってくださる方が増えている実感があります。
――今後の事業構想について教えてください。
2022年3月期に142億円の売上を記録しましたので、今後は200億円企業を目指して、より良い会社にするため、社員一丸となって進めていく所存にあります。目標は、東京23区内のどの駅前にも、当社のモダンなフォルムの「THE CITY」がある風景を目指しています。そのビルを日本全国、そして台湾やシンガポール、香港など海外も含めた投資家様にご購入いただき、「東京の街を変え、お客様の明るい未来を創る」というスローガンを実現させていきます。また、近い将来には自分たちが建てたビルの保有もしていきたいと考えています。