キユーピーは5月29日、野菜の魅力を体験できる複合型施設「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」を埼玉県深谷市に開業する。「野菜にときめく、好きになる!みんなの笑顔を育むファーム」というコンセプトのもと、その多面的な魅力を伝えるための工夫を随所に施した。
同社執行役員広報担当兼グループ総務統括および深谷テラスプロジェクト担当の森佳光氏は「この施設を通して野菜の魅力を伝え、日本人の野菜摂取促進に貢献していきたい」と語る。
施設内には「体験農園」「マルシェ」「レストラン」「野菜教室」という4つのコンテンツを設けた。
〈365日野菜が楽しめる農園づくり〉
「体験農園」では、ガイドツアーのスタッフが参加者へ農園内の野菜の生育状況を紹介して回った後、旬を迎えている野菜2〜3種の収穫体験を行う。
「深谷テラス」の敷地面積約1万7600平方メートルのうち、約3割を占める農園には常時約30種、年間約100種の野菜が植えられており、「365日いつでも野菜が楽しめるよう植える時期を調整している。収穫した時の見た目の面白さも考慮して選んだ」(深谷ベジタブルコミュニケーション社長の海老沢智幸氏)という。
例えばジャガイモだけで15種生育しており、収穫した際に色や大きさの違いを楽しむことができる。
所要時間は約75分、費用は1人あたり1500円〜2000円前後(収穫量により変動)。当面は各回約20人、平日2回、休日4回の実施を予定している。当日分の予約を現地で受け付ける。
「マルシェ」には、深谷市産(約7割)と近隣農家(約3割)から仕入れた新鮮な野菜と果物を50種以上取り揃える。野菜ごとに最適な保存方法を伝えるため、専用什器で陳列するほか、花束のように旬の野菜を束ねてハーブを添えたオリジナル商品「Today's Salada Mix」などを提案。野菜ソムリエの資格を持つ販売スタッフが、野菜の一番おいしい食べ方や調理方法、食べ頃などの相談に応じる。
〈グランドメニューが無いレストラン〉
「レストラン」はグランドメニューを用意せず、その日マルシェに入荷した野菜をもとに、都度メニューを考えて提供するスタイルとした。例えば10種程度の野菜を盛り付け、オリジナルドレッシングを付けた「シェフズサラダ」などがある。
店内のキッチンと提供スペースの間の窓を取り除くことで、調理中の音や香りを伝えるとともに、シェフと来店客のコミュニケーションを促す。地産地消を提唱するフレンチシェフの音羽和紀氏、音羽創氏が監修した。
「ここではスーパーや市場で規格外になってしまう不揃いな形の野菜も活かしたい。東京ではなくこの場所でやる意味を構築するとともに、皆さんと一緒につくっていけるレストランを目指す」(音羽創氏)。
ランチメニュー価格で1人税込1500〜2500円程度を想定。席数は通常130前後のところ、当面の間は70〜80席とする。
オープン後、不定期で開催を予定している「野菜教室」では、シェフや野菜ソムリエなどの資格を持つ講師が、野菜の魅力を様々な方法で伝えるイベントを行う。例えば、野菜のヘタなど捨ててしまう部分を使ったスタンプ作りや野菜の栄養講座などを企画している。
今回開業する「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」は、2012年に始まった新規事業プラン「Try!Kewpie」(現Kewpie Startup Program)の社内公募制度により採択されたプロジェクト。
発案者で深谷ベジタブルコミュニケーション野菜営業部の松村佳代氏は、「楽しく学びながら野菜を食べてもらえるファームをつくりたいと企画し、この案が採択された。開業に至るまでに最も大変だったのは、場所探しだ。畑と商業施設を同じ敷地内につくることへのハードルが高く、さらに関東近郊からアクセスが良いという条件に合う立地がなかなか見つからなかった。様々な出会いの中で、ある農業関係者の方から深谷市の花園IC拠点プロジェクトの公募に関する話を聞いてエントリーし、縁あって採択していただいた」と語る。
〈深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム〉概要
【開業予定日】
2022年5月29日(日)
【住所】
埼玉県深谷市黒田字上反54
【敷地面積】
約17,600平方メートル
【営業時間】
〈開門・閉門〉
平日:午前9時〜午後7時30分/土日祝:午前9時〜午後8時30分
〈マルシェ〉
平日:午前11時〜午後7時/土日祝:午前11時〜午後8時
〈レストラン〉
平日・土日祝:午前11時〜午後6時(ラストオーダー 午後5時30分)
【料金】
入園料無料(各コンテンツは体験費用別途)
【アクセス】
関越自動車道「花園IC」より車で約4分
秩父鉄道「ふかや花園駅」から徒歩約5分
【駐車場】
深谷テラスパークと共用で138台(無料)
※営業時間は変更する場合あり