2022年5月10日、ニューヨークでクリスティーズ「21st Century Evening Sale」が開催。21世紀を代表する巨匠や市場に出回り始めた新進気鋭のアーティストらの33作品が登場。今回のオークションより、落札価格TOP5の作品とANDART取り扱いアーティストの落札情報を紹介。1USD＝130.33円で計算、落札価格は手数料込み。
5）エリック・フィッシュル
《The Old Man’s Boat and the Old Man’s Dog》
落札価格：約5億4,000万円（$4,140,000）
エリック・フィッシュルは1948年アメリカ生まれの画家。本作は、フィッシュルがフランスのサントロペを旅行した際にインスピレーションを得て制作したシリーズの主要な作品で、1980年代の主流だった抽象主義を避けてヌード像を取り入れたもの。抽象から具象へと大きな変化を表す重要な絵画とされている。（予想落札価格：約2億6,066万〜4億円/$2,000,000 – 3,000,000）
4）マシュー・ウォン《Green Room》
落札価格：約6億9,600万円（$5,340,000）
マシュー・ウォンは1984年カナダ生まれ。独学で画家になり、その才能は国際的に高く評価されていたが、2019年に35歳の若さで自殺。作品はメトロポリタン美術館やグッゲンハイム美術館などに所蔵されている。2022年末にはダラス美術館で回顧展が開催される予定。本作は243.8 x 182.9 cmの大きさで、このような巨大なキャンバスは数少なく、ウォンのキャリアの中でも際立っている作品。
3）奈良美智《Be Happy》
落札価格：約8億3,672万円（$6,420,000）
日本を代表する現代アーティストの一人、奈良美智。1990年代にスタイルを確立し、挑戦的なまなざしをした人物像は奈良美智を象徴するキャラクターである。《Be Happy》は奈良美智がドイツにあるデュッセルドルフ芸術アカデミーで学位を取得後、ドイツに滞在して完成させたキャリア初期の重要な作品。オークションサイトの詳細はこちら。（予想落札価格：約7億1,682万〜9億7,748万円/ $5,500,000 – 7,500,000）
2）クリストファー・ウール《Untitled》
落札価格：約10億9,542万円（$8,405,000）
クリストファー・ウールは1955年アメリカ生まれ。1980年代後半に、ニューヨークの街で白のパネルに描かれたグラフィティの“SEX LUV”というタグを見かけて、制作を開始したのが本作であり、ウールの代表作「Word（言葉）」シリーズにおける最初の作品。白いアルミニウムの支持体に黒のエナメルを使ってステンシルで文字がペイントされている。（予想落札価格：約10億4,264万〜15億6,400万円/$8,000,000 –12,000,000）
1）ゲルハルト・リヒター《Abstraktes Bild》
落札価格：約47億5,705万円（$36,500,000）
出典：https://www.gerhard-richter.com/
今回のオークションでトップになったのは「ドイツ最高峰の画家」と呼ばれる現代アーティスト、ゲルハルト・リヒター。1994年に描かれた本作は、鮮やかな色を組み合わせた鮮烈な抽象画の代表作「アブストラクト・ペインティング」シリーズのキャンバス作品。ドイツの著名コレクターのピエッチ夫妻、ミュージシャンのエリック・クラプトンが以前に所有していた名画である。（予想落札価格：非公開）
ANDARTでは、「アブストラクト・ペインティング」シリーズのプリント作品《Abstraktes Bild (P1)》を取り扱い中。
【ANDART取り扱いアーテイスト落札情報】
バンクシー《Diamond In The Rough》
落札価格：約4億7,700万円（$3,660,000）
イギリスの匿名ストリートアーティスト、バンクシー。この作品は、2010年に開催された「Art in the Streets」というグラフィティとストリートアートを扱ったアメリカ初の大規模な展覧会で発表された。トラックのドアを支持体に描かれた本作は、グラフィティを背景にステンシルで少女が描かれており、キース・ヘリングを彷彿とさせる宝石が作品のポイントとなっている。（予想落札価格：約4億〜6億5,165万円/$3,000,000 – 5,000,000）
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無料会員登録 文：ANDART編集部
