注目のオークション情報から、​​NFTのトピックまで。先週1週間にアートマーケットを賑わせた話題を振り返ります。(1ドル=123円で換算)

目次

  1. オークション結果
  2. 今後の注目オークション
  3. NFT
  4. マーケット
  5. コラボレーション

オークション結果

▍ウォーホルの ≪Liz≫ が国内オークション最高額を記録!【3/30シンワオークション】 2022年3月30日に羽田空港で日本初のアライアンスよる保税アートオークション「Shinwa Auction× LARASATI Auctioneers × iART auction ×KUANGSHI × A|A|A|A × ISE COLLECTION」が開催された。この中で、アンディ・ウォーホルの作品≪Silver Liz(Ferus Type)≫が25億5,417万円で落札され、国内オークション最高額最高額を記録した。同作は鶏卵大手であり会社更生手続きに入っている「イセ食品」を設立した伊勢彦信氏が収集した「イセコレクション」の一つ。これまでの国内の最高落札は2018年に落札されたピカソの油彩画 ≪泣く女≫ の10億円であり、この記録を大きく更新した。

なお、ANDARTでは、ウォーホルのオフセットリトグラフの作品《Liz》を取り扱っている。

▍こちらもウォーホルが大躍進!【3/29ボナムズオークション】 2022年3月29日、ロサンゼルスでボナムズオークション「Prints & Multiples」が開催。ドイツの印象派画家や19世紀モダン、戦後、現代のコンテンポラリーまで幅広い年代で活躍したアーティストの作品が出品された。1位はアンディ・ウォーホルの≪Grapes≫で、予想最高落札価格 約3,078万円 (250,000ドル)を大幅に超え約5,699万円 (462,812ドル)で落札された。また、2位はイギリスの現代アートの巨匠、デイヴィッド・ホックニーの代表的なモチーフ「スイミング・プール」の描かれた≪Lithographic water made of lines and crayon≫が約2,405万円 (195,312ドル)で落札されている。

なお、ANDARTでは、同じくデイヴィッド・ホックニーの代表的なモチーフである「スイミング・プール」をモチーフにした作品 ≪Pool Made with Paper and Blue Ink for Book, from Paper Pools (M.C.A.T. 234)≫ を取り扱っている。

▍バンクシーの「反戦」作品で、ウクライナ最大の小児病院に1,300万円超えの寄付 バンクシーの作品が、匿名の寄付者によってウクライナの小児病院への寄付を集めるためにオークションにかけられていたが、最終的に約1,310万円 (106,500ドル) で落札された。本作のもとになったのは、バンクシーが2003年に英国のイラク戦争への関与に抗議し、ロンドンの国会議事堂の向かいに描いた≪CND Soldiers≫という反戦壁画。その2年後、バンクシーがこの作品のシルクスクリーン版画を700枚限定で制作し、その半分に作家のサインを入れたもの。当初の予想落札価格約246万円〜369万円 (2〜3万ドル) を大きく上回った。(MY MODERN NET)

今後の注目オークション

2枚のロスコ絵画の飾られたアン・バスのリビングルーム
(画像=2枚のロスコ絵画の飾られたアン・バスのリビングルーム)

画像出典:https://www.artnews.com/

▍クリスティーズ、慈善家 アン・バス所蔵の300億円超の印象派・近代美術品をオークションへ 慈善家アン・バスのコレクションから、印象派と近代美術の12作品が5月のクリスティーズオークションで売却されることが発表された。エドガー・ドガ、クロード・モネ、マーク・ロスコの絵画が含まれ、トータルで約310億円 (2億5千万ドル) の値がつくと予想されている。バスは2020年に78歳で死去。石油産業で富を築き、後にディズニーの大株主となったテキサスの大富豪シド・リチャードソン・バスの元妻。(ARTnews)

NFT

自作の前に立つジェフ・クーンズ(2021年撮影)
(画像=自作の前に立つジェフ・クーンズ(2021年撮影))

画像出典:https://www.coindesk.com/

▍ジェフ・クーンズがNFTデビュー。インターネット・ミームになぞらえ、彫刻作品を宇宙へ打ち上げ 世界で最も高価な存命中のアーティストであるジェフ・クーンズは、NFTに参入することを発表した。≪Jeff Koons: Moon Phases≫と名付けられた物理的な作品の一部は、ケネディ宇宙センターから完全自律型のミッションで月面着陸し、月の裏側にあるオセラス・プロセラムに着陸する予定だという。これは、暗号通貨の価格上昇の文脈で使われるインターネット・ミームである “To the moon” になぞらえたもの。NFTのローンチは今年後半に計画されている。(CoinDesk)

▍サムスン、世界初のNFT対応スマートTVを発売へ 「サムスン」は、NFTマーケットプレイスの「ニフティゲートウェイ」と提携し、世界初のスマートテレビNFTプラットフォームを立ち上げることを発表した。「サムスン」が2022年に発売するスマートテレビにNFTプラットフォームを統合する。これにより、スマートテレビでNFTを購入、売却、保有することができるようになるという。また、同デバイスからはBeeple、Daniel Arsham、Pakなど、新進気鋭のトップアーティストによる6,000点以上のアート作品にアクセスすることが可能となるようだ。(Street Register)

マーケット

▍2021年の美術品市場は総売上高が大幅に上昇 アート・バーゼルとUBSの最新レポート UBSとアート・バーゼルが毎年発表している世界の美術品市場の最新版レポートが公開された。本レポートによると、2021年の美術品・骨董品の総売上高は29%増の約8兆円 (約651億ドル) となり、パンデミック前の水準を上回った。また、オークションの売上も2020年比で47%増加した。一方、アートフェアは復帰が遅れ、依然としてパンデミック前の水準を下回っているとしている。(artnet news)

▍ガゴシアンが暗号通貨の受け入れを開始 世界の3大メガギャラリーのひとつであるガゴシアンは、3月29日、暗号通貨を支払いに受け付けることを発表した。取り扱うのは、ビットコイン、イーサリアム、USDコイン。同ギャラリーでの村上隆の新しいショーにあわせたもの。3大メガギャラリーのペースは、暗号通貨やNFTの採用に積極的である一方、ハウザー&ワースはまだ暗号通貨での支払いを受け付けていない。(ARTnews)

コラボレーション

ロッカクアヤコの≪Untitled≫をモチーフにしたZOZOVILLAのキービジュアル
(画像=ロッカクアヤコの≪Untitled≫をモチーフにしたZOZOVILLAのキービジュアル)

画像出典:プレスリリース

▍ZOZOVILLAが「GALLERY TARGET」とのアートコラボレーションを開始。第一弾がロッカクアヤコ 「ZOZOTOWN」上のラグジュアリー&デザイナーズゾーン「ZOZOVILLA」が、原宿のギャラリー「GALLERY TARGET」とのコラボレーションを開始する。第1弾はロッカクアヤコのコラボレーションで、作品≪Untitled≫をZOZOVILLAのキービジュアルとして起用するとともに、4月19日(火)より同作品のポスターを100部限定で抽選販売する。本人の直筆サイン入りで165,000円(税込)。(販売ページ)

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文:ANDART編集部