矢野経済研究所
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国内のヘルスケアベンチャーを対象とした法人アンケート調査では、5年以内に目標とする出口戦略は「株式上場」が半数を越える

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のヘルスケアベンチャーに関する動向についての法人アンケートおよび直接面談調査を実施し、ヘルスケアベンチャーの現状と展望を明らかにした。

1.調査結果概要

本調査では、国内の主にヘルスケア領域で事業を展開するベンチャー企業に対して、2021年12月~2022年1月に、現在の注力領域や支援状況、将来展望などの経営状況に関する郵送アンケート調査を実施し、61社から回答を得た。回答企業の属性をみると、大学の研究室(教授)やTLO(Technology Licensing Organization)が中心となり設立された「大学系」および各種研究機関やヘルスケア関連企業などに所属していた個人が独立し設立した「独立系」が約8割を占めた。次いで、大手企業の系列会社として設立された「企業系」、公的機関が主体となり設立された「公的機関系」、「その他」と続いた。

2.注目トピック

ヘルスケアベンチャーが5年以内に目標とする出口戦略は株式上場が最多

5年以内に目標とする出口戦略について質問したところ、半数以上のヘルスケアベンチャーが「株式上場」を選択し、中長期的な出口戦略としては株式上場を視野に入れる企業が多いことがわかった。
一般的に、企業にとっての株式公開・上場は、①社会的信用の向上、②資金調達力の拡大、③知名度の向上、④人材の確保といったメリットを得られるとされている。この中でも、ベンチャー企業にとっては、②資金調達のメリットは大きい。
一方で、ベンチャー企業への投資環境という観点から見ると、投資回収方法の偏りが生じているとも言える。今後は、株式上場に加え、M&Aやライセンスアウトといった出口戦略の一層の多様化が、ヘルスケアベンチャー企業の成長、あるいは育成のために必要になると考える。

調査要綱

1.調査期間: 2021年11月~2022年1月
2.調査対象: ヘルスケア領域で事業を展開するベンチャー企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送によるアンケート調査、ならびに文献調査併用
<ヘルスケアベンチャーとは>
本調査におけるヘルスケアベンチャーとは、主にヘルスケアに関連した領域で事業を展開するベンチャー企業を指し、創薬系ベンチャーや医療機器ベンチャーの他、薬機法の対象とならない製品、遠隔医療などのシステムやサービス、医療機関の業務改善のためのツールやサービスを提供するベンチャー企業なども対象とする。
<市場に含まれる商品・サービス>
メディカル・ヘルスケア関連製品・サービス、医療機関向けツール・サービスなど

出典資料について

資料名2022年版 ヘルスケアベンチャーの現状と展望
発刊日2022年01月31日
体裁A4 157ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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