2021年度の経費精算ソリューション市場は219億3,000万円で前年度比42.0%増の予測
~テレワーク環境への対応ニーズに加え、改正電子帳簿保存法の施行が市場の追い風となる見込~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の経費精算ソリューション市場を調査し、参入企業・ユーザ企業の動向、将来展望を明らかにした。
経費精算ソリューション市場規模推移・予測
1.市場概況
2020年度の経費精算ソリューション市場規模を、事業者売上高ベースで前年度比130.2%の154億4,500万円と推計した。
新型コロナウイルス感染拡大やそれに伴う社会経済活動の変化により、市場にはプラス・マイナス双方の影響があった。しかし、プラス要因の方が影響が大きく、結果として2020年度は好調に推移した。
マイナスの要因としては、コロナ禍により企業活動の中で出張や接待などが減少したことが挙げられる。経費精算の業務量が縮小したことで、経費精算ソリューションに対するユーザ企業のニーズも一時的に停滞した。一方で、プラスの影響としては、テレワーク環境への対応を目的とした製品の新規導入が活発化したこと、コロナ禍を契機としてデジタル化やペーパーレス化の必要性を認識したユーザ企業においても新規導入が進んだことが、挙げられる。
2.注目トピック
電子帳簿保存法の改正が市場成長の追い風
2022年1月に改正電子帳簿保存法が施行された。主な改正点は、税務署長の事前承認が不要になることや、適正事務処理要件として実施されてきた原本確認と検査が不要になること、タイムスタンプの付与期間が最長約2か月以内に延長され自署が不要になることなどであり、電子帳簿の保存やスキャナ機能を利用した保存のハードルが大きく下がることが期待されている。
改正により、これまで経費精算業務を紙ベースで運用してきたユーザ企業の経費精算システム利用促進につながるとみられ、経費精算ソリューション提供事業者は新規ユーザを増やすための機会として、新機能の開発やマーケティング活動に注力している。
また、同時に複合機(プリンタ、FAX、スキャナ等の複数機能を持つオフィス設置コピー機)を活用した紙書類の電子化ニーズも高まるとみられ、経費精算ソリューションと複合機の連携も堅調に進展すると考える。
3.将来展望
2021年度の経費精算ソリューション市場(事業者売上高ベース)は、前年度比142.0%の219億3,000万円を予測する。テレワーク環境への対応を目的とした製品の新規導入や、デジタル化やペーパーレス化の必要性を認識したユーザ企業によるIT投資の加速に加え、改正電子帳簿保存法の施行により、好調に推移する見込みである。状況は2022年度も継続する見通しで、2022年度の同市場規模は同141.9%の311億2,500万円になると予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2021年8月~12月 2.調査対象: 経費精算ソリューション提供事業者、複合機メーカ 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による取材、ならびに文献調査併用 |
<経費精算ソリューション市場とは> 本調査における経費精算ソリューション市場とは、経費申請や承認(押印)などの運用をデジタル化し、経費精算業務を効率化させるシステム製品を対象として事業者売上高ベースで市場規模を算出した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 経費精算ソリューション |
出典資料について
資料名 | 2022 テレワーク時代の経費精算と複合機連携 |
発刊日 | 2021年12月22日 |
体裁 | A4 127ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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