矢野経済研究所
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2021年度の賃貸住宅新設着工戸数を前年度比108.9%の33万戸と予測

~底堅い資産活用需要を背景に、コロナ禍前の水準に持ち直す見込~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の賃貸住宅市場を調査し、賃貸住宅新設着工動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

貸家新設着工戸数推移・予測

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1.市場概況

2021年度の国内賃貸住宅市場規模は新設着工戸数ベースで、前年度比108.9%の33万戸と予測する。
2017年度以降、貸家新設着工戸数(国土交通省「建築着工統計」より引用)は減少トレンドが継続している。2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きく落ち込んだものの、従来から資産活用を目的とする需要層の賃貸住宅に対するニーズは底堅く、主要な賃貸住宅事業者をはじめとして需要層への最適な資産活用の提案が継続して行われていることにより、2021年度の貸家新設着工戸数は持ち直す見込みである。

2.注目トピック

時代の変化・風潮とともに、賃貸住宅のあるべき姿も進化

環境問題への取組みが世界的に進む中、環境への負荷軽減に資するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様の賃貸住宅の供給割合は将来的に増加していき、このような付加価値の高い賃貸物件の競争力は高まっていくものと考えられる。
同じ賃貸住宅でも、環境への負荷軽減などの目的や明確なビジョンを持つ賃貸住宅と、ただ建てるだけの賃貸住宅とでは、長期間に渡る賃貸住宅経営の中で将来的な入居率に大きな差異が生じることにもなる可能性が高い。時代の変化・風潮とともに、賃貸住宅のあるべき姿も進化していく必要があるものと思われる。

3.将来展望

在宅ワークが定着し、都心部から郊外へ住み替える層も一定数顕在化する一方で、都心部の賃貸住宅の入居率が低迷しているということはない。都市部や中心部の賃貸住宅の人気は高く、依然として高い入居率が見込める状況は継続しており、都市型戦略を進める賃貸住宅事業者のシェア拡大が期待される。
また、郊外でも高級路線の賃貸物件開発を積極化することで、アッパー層の入居者を開拓するような動きが加速する見通しである。郊外の賃料価格帯も上昇に転じるエリアが出てきており、コロナ禍での新しい生活様式の定着とともに、賃貸住宅の住まい方にも転換期が訪れている。

調査要綱

1.調査期間: 2021年11月~2022年1月
2.調査対象: 賃貸住宅関連事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
2020年度までの貸家新設着工戸数は国土交通省「建築着工統計」より引用、2021年度は矢野経済研究所予測値。貸家(賃貸住宅)とは、主に居住用の賃貸アパートや賃貸マンション、賃貸戸建住宅を対象としている。
<市場に含まれる商品・サービス>
賃貸住宅(貸家、アパート系、マンション系、戸建系)

出典資料について

資料名2022年版 賃貸住宅市場展望
発刊日2022年01月31日
体裁A4 247ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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