(本記事は、のむらしんぼ氏の著書『マンガで世界を救うぞ! SDGsマンガ化計画』=講談社エディトリアル、2020年12月2日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
13個めの目標は、「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」というもの。気候変動は世界中のあらゆる国に影響を及ぼすようになっています。天候パターンの変化や海面の上昇、異常気象の増加など、すでに深刻な事態が引き起こされているのです。何も手を打たなければ温室効果(おんしつこうか)ガスの排出は増え続け、地球の平均表面温度はさらに上昇していくでしょう。こうしたなか、最もその影響を受けるのは最貧層(さいひんそう)と最弱者層なのです。気候変動は国境を超えたグローバルな問題。再生可能なエネルギーを利用するなど、温室効果ガスの排出量の削減(さくげん)に向けて、国際レベルで解決策を調整していかなければなりません。
今世紀末には地球の平均気温が1.5℃上昇
1880年から2012年にかけて、地球の平均気温は0.8℃上昇しました。平均気温が1℃上昇すると、穀物(こくもつ)の収穫量(しゅうかくりょう)は約5%ずつ低下するとされています。実際、トウモロコシや小麦などの収穫量は、1981年から毎年4000万トン減少し続けています※1。
1850年から1900年までを基準として、現状における温室効果ガスの濃度と排出が継続をすると、今世紀末までに地球の平均気温は1.5℃以上上昇するとされています。世界中で海洋の海水温が上昇して氷の融解(ゆうかい)が進み、2065年までに24〜30センチメートル海面が上がるという予測も。二酸化炭素の排出量の増大が止まったとしても、気候変動のほとんどが、数世紀にわたって影響し続けると言われているのです※1。
政府レベルだけでなく一人ひとりの意識が重要
2019年9月ニューヨークで行われた国連気候行動サミットでは、各国政府が対策を発表。ドイツは二酸化炭素の排出量と吸収される二酸化炭素の量を等しくする「カーボンニュートラル」の達成を約束、パキスタンは今後5年間で100億本を超える植林を行うと発表しました。インドは2022年までに再生可能エネルギーによる発電を175ギガワットまで増強、そのほか12カ国が開発途上国の気候変動に対処するための活動を支援する「緑の気候基金」への資金拠出(しきんきょしゅつ)を約束したのです。
節電や節水、エコバッグの活用、マイカー移動の削減など、私たちが日常でできることはたくさんあります。実際、新型コロナウイルス感染拡大時のロックダウンや活動自粛で、世界中の空気がキレイになったと報じられています。地球のために、私たちの意識が重要です。
※1 国際連合広報センター「持続可能な開発目標(SDGs)-事実と数字」(2018年12月24日より)(https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/31591/)※2 国際連合プレスリリース「CLIMATE ACTION SUMMIT 2019」(2019年9月23日)より(https://www.un.org/en/climatechange/assets/pdf/CAS_closing_release.pdf)
世界中のエゴとエゴがぶつかり合う地球環境の問題はさらに深刻な事態となっています。
「字宙船地球号」に同乗する私たち一人一人が真剣に取り組まなければならないテーマです。
日本の、そして世界の皆さまに少しでも関心を持っていただくきっかけになれば……。
今回、この企画に参加したマンガ家全員の思いです! Message from のむらしんぼ
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