(本記事は、新谷 かおる氏の著書『マンガで世界を救うぞ! SDGsマンガ化計画』=講談社エディトリアル、2020年12月2日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
9つめの目標は「レジリエント(強靭・きょうじん)なインフラを整備し、包摂的(ほうせつてき)で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図(はか)る」というもの。「レジリエントなインフラ」とは、自然災害などに強く、被害を受けても速やかに回復できるインフラをさしています。輸送や濯慨(かんがい)、エネルギー、情報通信技術などのインフラへの投資は、生産性と所得の向上を目指すためにもとても重要なのです。また包摂的で持続可能な産業開発は、所得を創出し、すべての人の生活水準を向上させ、環境に優しい産業化を実現するための技術も創出。さらに技術的な進歩は、資源効率の改善や省エネへの取り組みの基盤にもなります。
多くのアフリ力諸国ではインフラの整備が急務
多くの開発途上国では、依然として道路や情報通信技術(じょうほうつうしんぎじゅつ)、衛生施設(えいせいしせつ)、電力、水道といった基礎的なインフラが整備されていません。モバイルブロードバンド・ネットワークにアクセスできない人が、世界人ロの16%もいるのです。また多くのアフリカ諸国では、インフラの未整備により、企業の生産性が約40%損(そこ)なわれていると言われています※1。
インフラの整備と産業化は、快適で安全な生活を実現して雇用を創出し、貧困や飢餓から人々を救う有効な手段になるのです。後発開発途上国は、食料や飲料、繊維(せんい)・衣料産業の分野で巨大なポテンシャルをもっており、雇用創出や生産性を向上させる見込みは充分にあるとされています※1。また通信技術インフラの整備は、インターネットを使用した授業を可能にし、教育格差を埋めることにもつながるでしょう。
途上国のインフラ整備を支援
日本政府も日本のインフラ維持管理技術(いじかんりぎじゅつ)の知見や経験を活かすべく、政府開発援助(ODA)の実施機関である「JlCA(現・国際協力機構)」を設立。開発途上国が抱えるさまざまな課題に挑んでいます。世界各国に約90カ所の拠点を展開、人材育成や制度を構築するための技術協力のほか、空港や鉄道、橋や道路などのインフラ整備をサポート。また学校や病院、給水設備などを整備するための資金協力を行っています。2017年には「道路アセットマネジメント・プラットフォーム」を立ち上げ、開発途上国での道路維持管理などの体制づくりを行いました。道路や橋などの整備を行うと同時に、こうしたインフラを正しく活用するための人材育成にも注力しています。
情報通信技術(ICT)分野では、基幹通信網(きかんつうしんもう)の整備とICT活用による課題解決の支援、サイバーセキュリティ技術者の育成などをサポート。ASEAN諸国に対しては、安心安全なサイバー空間の実現を支援しています※2。
※1 国際連合広報センター「持続可能な開発目標(SDGs)-事実と数字」(2018年12月24日より)(https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/31591/)※2 JICA「課題別取り組み 社会基盤基盤:強靭で持続可能な社会の実現へ」(2019年9月)より(https://www.jica.go.jp/about/report/2020/ku57pq00002mxqfe-att/J_19.pdf)
この仕事を引き受けたのは、友人のブリちゃん(浜田ブリトニーさん)からお誘いを受けたからです。
話を聞いて、自分ができることで協力できたらと思いました。現在の地球は危機的な状態にあります。
それに対して個人ができることは限られます。私が何か発信できることは、漫画でしかありません。
わかりやすく描いたつもりです。一人でも多くの人に伝わればと願っています。
Message from 新谷かおる
>>続きはこちら https://the-owner.jp/archives/8136
※画像をクリックするとAmazonに飛びます