車の運転に鍵が不要な時代に!イスラエル発の仮想自動車キー「Mobile-Key」
(画像=ISRAERU)

車でどこかへ出かけようとしたときに限って、車の鍵が見つからない!そんなフラストレーションを誰もが一度は経験してるのではないでしょうか。この不満を解消すべく、イスラエルの自動車安全装置とドアロックシステムメーカーである「Cobra」は、モバイルアプリで操作可能な仮想キー「Mobile-Key」を開発しました。

「Mobile-Key」は、Bluetoothを介してダッシュボードの下に設置された電子制御ユニットとアプリを連携させ、車の鍵を持たずとも車のドアのロック解除するほか、トランクの開閉、ライト点灯、エンジン始動が可能です。

Mobile-Keyのイメージ
(画像=Mobile-Keyのイメージ)

「Mobile-Key」を使うためには、車両とスマホが15m以内にある必要があります。またハッカーを阻止するため、高度な暗号化方式(AES-256bit)が使用されているので、安心して使用することができます。

既にテスラやヒュンダイ、ホンダ、スバル、日産といった大手自動車メーカーからも、CarChabiやMoboKeyooferといったモバイルアプリを利用した車の発動機能は搭載されていますが、Cobraのユニークな点は、元々この機能が搭載されていない車においても、仮想キーが使用できる点です。(2014年以降一般的となった、ボタンを使用して起動可能な車に対応)

「Mobile-key」では、バレーパーキング(ホテルなどでスタッフが代わりに駐車すること)に対応した高速セットアップを含め、5人のユーザーが登録可能。車の標準キーやボタンも引き続き有効なため、アプリを使用しないドライバーも車に乗り込めます。

「Mobile-Key」の設定するには、デバイスをインストールし、車両の電機システムに接続する必要がありますが、所要時間はわずか1時間程度。デバイスのインストールは整備士、販売店もしくは自宅で行うことができます。小売価格は1,190シェケル(約365ドル)を予定しており、鍵を紛失した場合の鍵交換費用が300ドル~1200ドル程度掛かることを考えると、とても安価な価格設定です。

「便利で導入しやすいソリューションであり、鍵の複製にかかる金額を考えると、費用を節約することが可能です」とCobra社は述べています。

Cobra社では既に、スマート技術を用いた家の施錠システム「DOORe」製品を展開しています。この製品では、指紋を利用して鍵の施錠が可能なため、鍵を持ち歩く必要がありません。

Cobra社はスタートアップ企業でありながら、イスラエルのDelek Motorsの独立請負業者を務めており、カーナビゲーションやエンターテインメント、通信システム、フロント/リアカメラ、駐車センサーなど、様々な車両関連製品を展開しています。

Cobra社のCEOであるYuval Asaraf氏は、「Mobile-Key」のマーケット参入に関して、今後3か月以内にをアメリカで発売、その後ヨーロッパでも発売を目指していると述べています。また社用車や車両輸入業者、レンタカー会社との提携を計画しています。

情報提供:ISRAEL21c
執筆:Brian Blum