独占インタビュー|安松ジョイ(UPPER HOUSE株式会社 代表取締役)


日本でも女性を中心に人気を集めているイスラエル発コスメブランド「SABON(サボン)」。このブランドを日本に進出させ、成功へと導いた女性が安松ジョイさんです。サボンというイスラエルのコスメブランドを、誰も知らないブランドから、誰もが愛するブランドへと成長させた裏側には、日本市場における的確なマーケティングはもちろん、彼女の日本での経験そして日本に対する深い知識が深く関係しています。

今回ISRAERUウェブマガジンでは、SABONとの出会いから日本進出までの過程を中心に、安松ジョイさんのキャリアについてお話を伺いました。

安松ジョイ氏
(画像=安松ジョイ氏)

IT企業から輸入業へ。思いがけないキャリアチェンジ

香港で生まれ、ニューヨークで育った安松ジョイさんは、様々な国で生活することを通じ、多様なバックグラウンドを持ち合わせていました。幼い頃に日本文化に魅了されたことをきっかけに、日本の大学へ進学。金融と日本語を専攻し、卒業後にはニューヨークでプログラマーとしてキャリアをスタートします。

ニューヨークで働いている間も、いつも日本から友人がニューヨークに彼女に会いにやってきては、一緒にお土産を探していました。日本人が求める品質、ニーズ、美意識を理解していた彼女は、日本人が喜ぶアイテム選びに長けており、友人のためのアイテム選びを楽しんでいました。

その頃から既に少しずつ日本に紹介するアイテムを輸入していましたが、偶然生じた一つのことから全てが加速します。

「ニューヨークで友人の誕生日パーティーに向かう途中、偶然サボンのショップに出会ったのです。実はその時とても急いでいたのですが、キャンドルショップが大好きなので、立ち寄らずにはいられませんでしたね。そして信じられないことに、私のアパートの目の前に新しいショップをオープンしたのです。」

サボンが日本で成功すると確信した安松さんは、すぐにサボンへ日本市場進出の話を持ち掛けますが、サボンに断られてしまいました。しかし彼女はここで諦めません。サボンというブランドへの自信と愛情を胸に連絡を取り続け、日本進出に向けて説得を続けました。そして最初に連絡してから3年後、ようやく日本に第一号店をオープンします。

日本第一号店の表参道店(出典:公式ウェブサイト)
(画像=日本第一号店の表参道店(出典:公式ウェブサイト))

海外アイテムの日本進出

日本に造詣の深い安松さんは、イスラエルにおけるサボン関係者と日本関係者の仲介役となり、表参道に日本第一号店をオープン。ディレクターとして、日本市場の調査および分析、イベント企画、日本市場向けのブランディングを行い、サボンショップを拡大させ大成功へと導きました。並々ならぬマーケティングとマネージメントのおかげで、現在サボンは日本に45店舗展開しています。

この経験により、安松さんはイスラエルのブランドであるPapierや1220 Ceramicsを含む、多くの新規事業を始めます。そしてこの専門知識を活かし、世界中の企業を日本で展開するUPPER HOUSE株式会社を設立しました。そして海外アイテムを輸入するベテランとして、新しいパートナーに求める重要な特徴があると語ります。

海外アイテムの日本進出
(画像=海外アイテムの日本進出)
海外アイテムの日本進出
(画像=海外アイテムの日本進出)

「日本市場で成功するための最も重要なことの一つは、品質です。日本市場には品質の高いアイテムがたくさんあるので、同じレベルに立つ必要があるのです。」

安松さん
(画像=安松さん)

また安松さんは、イスラエルからの高品質なアイテムを展開することで、日本人がイスラエルに対して抱くイメージがポジティブになることを望んでいます。

「多くの人がイスラエルに対してネガティブなイメージを持っているのはとても残念に思います。イスラエルを何度も訪れた身として、イスラエルはゴージャスなアイテムや文化を作る人々の優しさとクリエイティビティに溢れていると言えるでしょう。」

未来を担う若い世代へアドバイス

多くの異なる文化に触れてきた安松さんが、イスラエルから学んだ価値観を若い世代にこう伝えます。

「イスラエルの人々は失敗を恐れず、失敗は自分自身で何かを学ぶ方法であると考えています。私自身もこの考え方により、失敗を恐れてやらかったときより、遥かに多くのことを達成できました。」

また積極的であることも大切であると伝えます。

「できるだけ多くのことに挑戦してみてください。関係ないと思うスキルを学ぶことは、後々の人生で役立ち、時間とお金を無駄にせずに済むのです。」

仕事への愛情は輸入業を始めた頃と変わることなく、今後も品質の高い多くの海外企業を日本へ進出させる予定である安松さん。

「一緒に仕事をしたくなるようなブランドや、愛情を持てるアイテムであることが私にとって重要です。もし私がそのブランドを愛していなければ、輸入もうまくいかないのです。」

安松さん
(画像=安松さん)

UPPER HOUSE
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