国内の主要な空調衛生設備工事事業者71社の2020年度工事売上高は、前年度比13.1%減の1兆2,197億円
~コロナ禍を背景に、再開発案件や小規模工事の先送りなどが影響し前年度比減少で推移~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役:水越 孝)は、国内の主要な事業者92社を対象として、空調衛生設備工事に関する法人アンケート調査を実施した。ここでは、回答があった71社の2016年度から2020年度までの空調衛生設備工事の売上高推移を公表する。
空調衛生設備工事事業者71社の空調設備工事売上高推移
1.調査結果概要
本調査では、国内の主要な空調衛生設備工事事業者92社を対象として、法人アンケート調査を実施した。2020年度の空調衛生設備工事売上高(回答が得られた71社の設備工事売上高合計)は、前年度比86.9%の1兆2,197億円となった。国内の空調衛生設備工事は受注環境は堅調に推移するも、新型コロナウイルスの感染拡大により、大型再開発案件や小規模リニューアル案件とも先送りされるケースが散見された結果、市場規模は前年度比で減少となった。
特に宿泊施設などインバウンド(訪日外国人客)関連施設の案件や、一般消費者が頻繁に出入りする飲食店、小売店などからの受注はコロナ禍の影響を大きく受けた。繰り返される緊急事態宣言に伴う店舗営業の自粛の影響による施工延期など、2021年度の受注環境はさらに悪化しており、今後の動向についても不透感が残るものと考える。
2.注目トピック
人件費は高止まり、資材費は高騰
コロナ禍により空調衛生設備工事事業者の人手不足問題は一時的に緩和しているものの、高齢化・人口減少等を背景に根本的な解決には至っておらず、労務費は高止まり状態にある。どの事業者にとっても、人手不足は大きな課題となっており、人材育成の強化が図られている。また、資材費の高騰も企業収益を圧迫している。各社は収益性を確保するため、業務工程の省人化・省力化を進めていく必要があると考える。
調査要綱
1.調査期間: 2021年8月~10月 2.調査対象: 国内の主要な空調衛生設備工事事業者92社 3.調査方法: 郵送等によるアンケート調査、ならびに当社専門研究員による直接面接調査併用 |
<本調査について> 設備(電気、空調、衛生等)工事のうち、主に空調設備工事及び衛生設備工事を請け負う事業者92社を対象とし、法人アンケート調査を実施した。本調査では、工事売上高や受注動向や資材仕入、事業の注力ポイントなどを調査し、空調衛生設備工事業の動向を明らかにした。 また、2016年度から2020年度までの空調衛生設備工事売上高の回答があった71社の工事売上高を集計し、コロナ禍における工事売上動向を明らかにした。なお、回答企業の空調衛生設備工事の売上高には、空気調和設備工事、給排水衛生設備工事、環境衛生設備工事、消火設備工事、特殊管設備工事が含まれる。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 空気調和設備工事、給排水衛生設備工事など |
出典資料について
資料名 | 2021年版 空調衛生設備業経営総覧 |
発刊日 | 2021年10月27日 |
体裁 | A4 530ページ |
価格(税込) | 143,000円 (本体価格 130,000円) |
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