新型コロナウイルス感染拡大に伴う感染予防手段として、業務用の除菌/消毒ロボットは2020年度から市場が創出
~コロナ禍で国内での新規参入が相次ぎ、製品投入と独自の提案が広がる~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の除菌/消毒ロボット市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
無軌道で自走して除菌/消毒作業を行う業務用の除菌/消毒ロボットは、2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大に伴う感染予防手段として、国内で製品投入と提案が始まったことで市場が創出された。市場は2020年度から新規参入が相次ぐことで立ち上がったものの、2020年度はまだ市場規模を算出できる規模にはない。2021年度もコロナ禍は収束する兆しが見えず、引き続き感染予防対策も求められているが、2021年度の除菌/消毒ロボット市場規模(メーカー出荷金額ベース)は4億9,900万円というレベルで、未だその市場規模は小さいと言わざるを得ない。
2.注目トピック
製品価格差とハードのしくみ
業務用の除菌/消毒ロボットの製品価格は、1,000万円以上の高価格品、400~500万円の中価格品、200万円前後の低価格品に凡そ分類できる。いずれの価格帯においても、LiDAR(Light Detection And Ranging)とSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術による自律走行機能を有しており、採用するセンサの性能や品質、制御ソフトの熟成度に違いはあるかもしれないが、その仕組みは変わらない。
また、紫外線照射式の除菌/消毒ロボットはUV-C(深紫外線)による殺菌作用、薬剤噴霧式は使用する薬剤(消毒液)による殺菌作用を持ち、製品価格によらず同じ殺菌方式を採用する限り、ハードウェアの仕組みそのものに大きな違いはない。
3.将来展望
コロナ禍の収束時期が見えず、総じていずれの需要分野でもそれなりの感染予防対策が求められており、人手のいらない除菌手段として除菌/消毒ロボットの導入は期待できる。
ただ、普及のためには人体に無害で、除菌効果が確認できることが大前提となり、加えてそれぞれのユーザニーズに対し、製品価格と使い勝手が妥当であることが必須となる。
調査要綱
1.調査期間: 2021年8月~11月 2.調査対象: 国内の除菌/消毒作業を行うロボットメーカや販売元、その研究開発に取り組む企業、関連団体、関係省庁等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用 |
<除菌/消毒ロボットとは> 本調査における除菌/消毒ロボットとは、非ガイド誘導式の自律走行と除菌/消毒機能を併せ持ち、無軌道で自走して除菌/消毒作業を行う業務用ロボットを対象とする。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 紫外線照射式除菌ロボット、薬剤噴霧式除菌ロボット、紫外線照射/薬剤噴霧併用式除菌ロボット、オゾン発生式除菌ロボット |
出典資料について
資料名 | 2021 除菌/消毒ロボットの可能性と将来性 |
発刊日 | 2021年11月26日 |
体裁 | A4 128ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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