展覧会情報から、注目のオークション結果まで。ANDARTとYOUANDARTのお取り扱いアーティストの話題を中心に、21.11.13-21.11.19に起こった世界のアートニュースを振り返ってみよう。(1ドル= 114.02円、1ポンド=153.30円, 1ユーロ=128.59 円で換算)

目次

  1. 注目の作品
  2. オークション
  3. 展覧会

注目の作品

壁から取り外されてしまったバンクシー作品。撤去前の様子。
(画像=壁から取り外されてしまったバンクシー作品。撤去前の様子。)

画像引用:https://www.bbc.com/

▍バンクシーの壁画を撤去。建物のオーナーがオークションへ。 今年8月にイギリスにバンクシーの新作10点がお目見えしたが、そのうちの1作品がオーナーによって撤去された。バールを持った子供が描かれたその建物は、グラフィティが描かれた当時、約4,600万円 (30万ポンド) で売りに出されていたが、バンクシーの作品と確認されたことで売却を一時とりやめ。その後、しばらくの間、約7,700万円 (50万ポンド)に値上げして販売されていた。壁画はすでに取り外され、アメリカでオークションにかけられる予定だというが、地元では嘆きの声が上がっている。(BBC)

▍シンガポールの「KAWS:HOLIDAY」、一時差し止めを経て再開へ。シンガポールで一時公開差し止めとなっていたイベント「KAWS:HOLIDAY」が再開した。KAWSのアイコン的キャラクター「コンパニオン」をモチーフとした42mの巨大なアート作品を展示し、無料公開する7回目のイベントだったが、著名なコレクターであるライアン・スーの設立した「The Ryan Foundation (TRF)」が、本イベントの主催者である「All Rights Reserved(ARR)」に知的財産権を侵害されたとしてARRを提訴したことで、裁判所により一時的に開催を差し止められた。ARRとTRFは、もともと本イベントを共催予定だったもののトラブルで決裂となったことが原因である様子。現在は公開が再開している。(THE STRAITS TIMES)

▍フランスの美術図書館に保管されていたゲルハルト・リヒター作品、購入時の80倍以上の価値と判明し売却へ。フランスのリヨン近郊の町で、市民や地元企業が美術品を借りることができる美術図書館 (artothèque) に、ゲルハルト・リヒターの絵画が保管されていることが判明した。リヒターの《Abstraktes Bild 630-2》(1987年)は、描かれた翌年の1988年に約470万円 (当時の10万フラン, 現在のレートで約4.1万ドル) 弱で町が購入したものであるが、現在の価値が約3.9億円 (300万ユーロ) と専門家が評価したため、市議会はこの作品を売却することを決定したという。(artnet news)

▍フリーダ・カーロ最後の自画像、中南米のアーティストでは最高額に。11月16日、サザビーズのイブニングセールにフリーダ・カーロ最後の自画像が出品され、約39.8億円 (3,490万ドル) で落札された。当初、現在の女性アーティストでの最高落札記録をもつジョージア・オキーフを抜くのではないかとも言われていたが、オキーフの記録である約50.2億円 (4,400万ドル) には届かなかった。しかしながら、彼女の夫であるディエゴ・リベラの最高落札価格の記録を抜き、中南米のアーティストで最高額の記録を更新した。(artnet news)

▍「YOUANDART」で11月25日より大人気「コンパニオン」モチーフのKAWSの作品販売を開始。ANDARTの運営する本格アートのオンラインストア「YOUANDART」で、KAWSの作品《URGE(1)》を販売する。KAWSの人気キャラクター「コンパニオン」をモチーフにしたプリント作品。KAWSの特徴である「××」のマークがついた手が群がっている様子が描かれた、≪URGE≫ 10枚セットのうちの1枚。サイン付き。なお、対象期間中に「ANDART」のLINE公式アカウントを友だち追加していただいた方に、2,000円クーポンプレゼントのキャンペーンも実施。

ANDARTで共同保有できる≪URGE≫ 10枚組はコチラ▼

オークション

フィリップス「20th Century & Contemporary Art Sale」の様子
(画像=フィリップス「20th Century & Contemporary Art Sale」の様子)

画像引用:https://www.phillips.com/

▍ニューヨークでのオークションの総売上高は約2,850億円 (25億ドル)。美術品市場の広範な力強さ示す。この2週間にニューヨークで複数の大型オークションが開催された。主要なオークションハウスの売上は好調で、全体で少なくとも約2,850億円 (25億ドル) を計上したことが分かった。パンデミックの間、オークションがオンラインとなったことで、若手や新進のアーティストの作品の販売が活性化した一方、この2週間の落札結果は、まだまだコレクターたちがマスターピースを求めていることを表す形ともなった。(PENTA)

▍The Macklowe Collectionがサザビーズで約770億円 (6億7,600万ドル) の売上。11月15日、マーク・ロスコ、アルベルト・ジャコメッティ、アンディ・ウォーホルなどの作品群がサザビーズ・オークションに登場した。不動産開発業者であるハリー・マックロウ氏と、美術館管理者である元妻のリンダとの間の離婚問題の一環として開催されたオークション。35作品すべてが落札される「ホワイトグローブ・セール」となり、落札総額は約770億円 (6億7,600万ドル) にのぼった。(artnet news)

なお、本オークションにおいて、約89.4億円 (7,840万ドル) でジャコメッティの立体作品が落札されたが、本作品を落札したのは、中国の暗号通貨プラットフォーム「TRON」の創始者で、31歳のJustin Sunだという。彼は、この作品をはじめとするいくつかの作品を自分の財団に寄付する予定とのことだ。(artnet news)

▍サザビーズ、ライブオークションで初の暗号通貨での入札を実施。11月18日、サザビーズはニューヨークで3つのオークションを開催したが、そのうちの「The Now」オークションにおいて、初の暗号通貨での入札を受け付けた。対象となったのは、バンクシーの2作品。暗号通貨Etheriumとドルの両方で入札を受け付けたため、途中少なくとも2回、為替レートを計算するために小休止が入った。結果的に、バンクシーの風刺的な資本主義批判作品である≪Trolley Hunters≫は約7.6億円 (670万ドル) 相当、≪Love is in the Air≫は12分間の入札の後、約9.2億円 (810万ドル) 相当のEtheriumで落札された。(THE ART NEWSPAPER)

▍フィリップス社、NYの20世紀・現代美術オークションで、会社史上最高の売上総額を達成。11月17日にフィリップス社の「20th Century & Contemporary Art」イブニングセールが開催された。落札総額は約157.5億円 (1億3,790万ドル)となり、フィリップスのオークション史上最高額を達成した。トップロットはフランシス・ベーコンの作品で、約37億6,827万円 (3,300万ドル)で落札された。(Phillips)

展覧会

森洋史の立体作品《MORYGON KEWPIE》(レンダリング画像) (プレスリリースより)
(画像=森洋史の立体作品《MORYGON KEWPIE》(レンダリング画像) (プレスリリースより))

▍森洋史、国内で1年半ぶりの個展を11月27日より開催。NFTアートも。森洋史による個展「MORYGON KEWPIE」が銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUMで開催される。期間は2021年11月27日(土)~12月8日(水)。国内では1年半ぶりの個展となり、初の立体作品と映像作品を展開する新シリーズ「MORYGON KEWPIE(モリゴンキューピー)」を発表する。また、新たな試みとして、2つの映像作品はNFTアートにも展開されるという。(特設サイト)

▍「いちはらアート✕ミックス」が1年半越しで開幕。千葉県の市原市で「房総里山芸術祭 いちはらアート✕ミックス2020+」が11月19日に開幕した。小湊鉄道を軸とした周辺エリアで展開される芸術祭。2020年春に開催予定だった、がコロナ禍で延期となっていたもの。17の国と地域から約70組のアーティストが参加し、作品総数は約90点となる。12月26日まで。(いちはらアート✕ミックス)

▍ブルックリン美術館で、アンディ・ウォーホルの信仰に焦点を当てた展覧会がスタート。ブルックリン美術館で11月19日から、来年6月19日まで「Andy Warhol: Revelation」展が開催される。ウォーホルの作品に頻繁に登場する信仰についての関係を探る展覧会。100点以上の展示品の中にはウォーホルの「最後の晩餐」シリーズのほか、ローマ・カトリック教会がウォーホルに資金提供した未完成の実験映画 ≪The Chelsea Girls≫ なども展示される。(Brooklyn Museum)

なお、KAWSはこの展覧会のオープニングを訪れた様子で、Instagramにその様子を投稿している。

▍アンディ・ウォーホルとバンクシーを比較する展覧会、イタリアで開催へ。アンディ・ウォーホルとバンクシーという、過去50年間にアートに革命をもたらした2人のアーティストに焦点を当てた、珍しい展覧会がイタリアで11月20日から開催されている。世界各国の有名なコレクションや重要な美術館から100点以上の作品を展示。1962年にウォーホルが制作したマリリンのポーズをとった、バンクシーによるケイト・モスを描いた作品なども展示される。(BANKSY ANDY WARHOL)

▍香港でダミアン・ハーストの個展を開催。アジアで初の展示。:「White Cube 香港」で、11月24日よりダミアンハーストの個展「HIS OWN WORST ENEMY (彼自身の最悪の敵)」が開催される。アジアでは初めての展示となる本展では、”古代の難破船の発見” という架空の事実に基づいて制作され、高い評価を得ている「Treasures from the Wreck of the Unbelievable」の彫刻作品シリーズと、2021年に制作された新シリーズ「The Revelations」の絵画作品がともに展示される。(WHITE CUBE)

ANDARTに会員登録すると、オークション情報やオーナー権販売情報をいち早くお届け!メールアドレスの他、SNSでも簡単に登録できます。

文:ANDART編集部