2020年度のME機器(治療機器)市場は新型コロナウイルス感染症により二極化
~新型コロナウイルス感染対策のための交付金や需要増の影響が大きい「手術室等の設備機器」とコロナ関連需要と介護脱毛の新しい需要により「レーザー治療装置」が増加し、一方で病院の設備投資減少により「特定領域高額機器」「内視鏡下外科製品」は減少~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のME機器(治療機器)市場を調査し、市場の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
ME機器(治療機器)市場推移
1.調査結果概要
本調査では、病院や一般診療所等で使用されるME(Medical Engineering)機器のうち、32項目(54区分)の治療機器を対象としている。
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、受診控えによる患者数の減少や不要不急の手術実施延期により、機器への設備投資が冷え込み、前年度比マイナス実績の製品群が多い。他方、新型コロナウイルス感染症対策による、医療機器への支援交付金の支給や、医療従事者向け感染対策機器の大幅な需要増加もあり、ME機器(治療機器)市場は二極化している。
2.注目トピック
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた2020年度のME機器(治療機器)市場
2019年度のME機器(治療機器)市場規模は、消費増税前の駆け込み需要により前年度比5.7%増の1,784億7,100万円であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年度は同4.1%減の1,711億3,900万円と推計した。
その内訳をセグメント別でみると、新型コロナウイルス感染対策のための交付金や需要増の影響が大きかった「手術室等の設備機器(在宅レンタル・パブリック設置含む)」は前年度比9.7%増の900億4,270万円、コロナ関連需要と介護脱毛の新しい需要により「レーザー治療装置」が同4.9%増の145億9,540万円、一方で設備投資減少により「特定領域高額機器」は同25.2%減の323億7,710万円、「内視鏡下外科製品」は同12.8%減の244億8,480万円となっている。
調査要綱
1.調査期間: 2021年4月~10月 2.調査対象: 国内メーカー及び輸入製品の製造販売業:販売元 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含)、電話による取材調査、ならびにアンケート調査併用 |
<ME機器(治療機器)市場とは> 本調査におけるME(Medical Engineering)機器市場とは、病院や一般診療所等で使用される治療機器、32項目(54区分)を対象とした。 本調査ではベンチレータや全身麻酔器、電気メス、手術用顕微鏡、鋼製器具などを含む「手術室(Operation Room)等の設備機器(在宅レンタル・パブリック設置含む)」、結石破砕装置を含む「レーザー治療装置」、ESWLや放射線治療システム、ナビゲーション等の「特定領域高額機器」、低周波治療器や骨電気刺激装置/超音波骨折治療器、ネブライザー等を含む「特定領域中級・普及型機器」、Endoscopy Room等の関節鏡システムや内視鏡下外科手術関連の「内視鏡下外科製品」の計5セグメントに分類し、市場を分析している。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 内視鏡下外科(腹腔鏡・胸腔鏡他)手術製品、ベンチレータ、全身麻酔器、除細動器・デフィブリレータ、電気メス、超音波凝固切開装置・超音波吸引装置、Nd:YAG・Ho:YAG・KTP/YAG・KTP/Tm:YAG、CO2レーザー、高出力半導体レーザー手術装置、PDT、レーザー心筋血管新生術/心筋血行再建術 TMR・PTMR、(疼痛緩和)半導体レーザー治療器、(直線偏光)近赤外線・赤外線治療装置、あざとり・美顔用レーザー装置、美容整形外科関連製品、(経尿道的)結石破砕装置(TUL)他、BPH治療製品、ESWL、ハイパーサーミア(温熱療法加温装置)、IABP装置、自己血回収装置・回収式自己血輸血装置、コンティニアス・パッシブ・モーション、タニケットシステム、骨電気刺激装置/超音波骨折治療器、低周波治療器、パワーインスツルメンツ、ガンマナイフ、定位脳手術装置、定位・高精度放射線治療システム、手術室用顕微鏡システム・ナビゲーションシステム、ネブライザー、滅菌コンテナーシステム、鋼製手術器具・器械 |
出典資料について
資料名 | 2021年版 機能別ME機器市場の中期予測とメーカーシェア(治療機器編) |
発刊日 | 2021年10月28日 |
体裁 | A4 697ページ |
価格(税込) | 132,000円 (本体価格 120,000円) |
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