【第29回】日本の伝統工芸の国内・海外市場への訴求点は何か?

THE OWNER特別連載「経営者のお悩み相談所 〜経営コンサルタントが一問一答!〜」第29回目は「国内・海外市場に対し日本の伝統工芸の価値を伝える訴求のポイントは何か?」という経営者のお悩みについてお答えします。

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【今回のご質問】
日本の伝統工芸の国内、海外市場への訴求について。おそらく漆塗りとか技術の訴求では若い人はつかめないと思います。伝統工芸は産地のブランド化がキーになっていくと思いますが、、、これからの日本の伝統工芸の価値を伝えるポイントについてご意見頂ければ幸いです。

質問者は日本の伝統工芸品の生産者なのでしょうね。具体的な製品は分かりませんが、どうやら芸術品のようなものではなく、漆塗りのお椀や重箱のような比較的身近な工芸品ではと感じられます。

日沖 博道(パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長)
日沖 博道(パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長)
【略歴】アーサー・D・リトルでシニアマネジャー、日本ユニシスで統括パートナー、アビームコンサルティングでディレクターを務める。経営コンサルティングと事業会社経営(ベンチャー企業、合弁企業など)を交互に経験し独立、2012年より現職。
【学歴】一橋大学 経済学部卒、テキサス大学オースティン校 経営大学院修士(MBA)
【専門領域】事業戦略、マーケティング戦略、ビジネスモデル、BPRとBPM
【最新著】『ベテラン幹部を納得させろ!~次世代のエースになるための6ステップ~』
【パスファインダーズ社】少数精鋭の戦略コンサルティング会社として、新規事業の開発・推進・見直しを中心としたコンサルティングを提供。
URL:https://www.pathfinders.co.jp/

4つのケース分け

2つの軸の組み合わせによりケース分けをしたいと思います。一つめは「対象製品」軸。対象製品が伝統的な工芸品そのものの場合と、その技法・技術を応用した現代向けの製品の場合とで違うと考えられます。もう一つの軸は「対象市場」軸。訴求する相手が国内市場の場合と海外市場の場合でもやはり違うと考えられます。この2つの軸の組み合わせにより4つのマトリクスができるので、それぞれのケースに分けて対応を考えましょう(下図参照)。