矢野経済研究所
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2020年度の住宅用断熱材(7分野)出荷量は前年度比8.7%減の34万t、市場規模は同7.7%減の1,659億円

~2020年度はコロナ禍を背景に市場は縮小したものの、今後は省エネ義務化に向けて新築住宅高断熱化ニーズの高まりにより住宅用断熱材市場の拡大を見込む~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の住宅用断熱材市場を調査し、出荷量・市場規模、分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

住宅用断熱材(7分野)市場規模(数量)推移・予測

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住宅用断熱材(7分野)市場規模(金額)推移・予測

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1.市場概況

2020年度の住宅用断熱材市場は、数量ベースでは前年度比8.7%減の343,304t、金額ベースでは同7.7%減の1,659億5,000万円と推計した。
断熱素材の種類により前年度からの落ち込み幅は4~12%減と差はあるが、減少理由はいずれの種類の断熱素材に関しても、コロナ禍を背景とした新設住宅着工数の減少に起因するものである。

2.注目トピック

断熱リフォーム向けの取組が加速

断熱材事業者各社は、リフォーム向け製品のリリースや販路の拡大、リノベーションプロジェクトへの参画など、断熱リフォームへの取組を積極化させている。
現時点では、各事業者ともリフォームの売上比率は低いが、カーボンニュートラル社会の実現に向け既築住宅の有効活用が促進される中、断熱材リフォームの必要性が高まっている。
長期的には新設住宅着工数の減少を背景に、各社の事業を拡大・維持するためには、既築住宅向けへの取組は不可避であるため、今後更に積極的な取組が加速するとみられる。

3.将来展望

2021年度の住宅用断熱材市場は、数量ベースでは前年度比2.1%増の350,600t、金額ベースでは同1.9%増の1,691億3,000万円の見込みである。

これまで大手ハウスメーカーなどを中心とする住宅供給事業者による断熱等性能等級4の標準仕様化や、ZEH(Net Zero Energy House:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの住宅高断熱化ニーズの拡大などにより、断熱材の使用機会や住宅1戸あたりの使用量の増加に伴い、市場は拡大してきた。
今後は2025年度以降の新設住宅の省エネ基準適合義務化に向けて、ハウスビルダーや地域工務店などでも高断熱化に向けた取組が増加することから、断熱材市場は拡大する見通しである。

調査要綱

1.調査期間: 2021年7月~9月
2.調査対象: 断熱材メーカー、業界団体
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに電話による調査併用
<住宅用断熱材市場とは>
本調査における住宅用断熱材とは、グラスウール、ロックウール、セルローズファイバー、押出法ポリスチレンフォーム、ビーズ法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォームの7分野の断熱材の内、住宅用に使用されるものを指す。
市場規模は2020年度までは一部公開資料をもとに当社にて推計、2021年度以降は当社にて予測する。
<市場に含まれる商品・サービス>
グラスウール、ロックウール、セルローズファイバー、押出法ポリスチレンフォーム、ビーズ法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム

出典資料について

資料名2021年版 各種住宅用断熱材の市場実態 ~断熱材市場白書~
発刊日2021年09月28日
体裁A4 222ページ
定価181,500円 (本体価格 165,000円)

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