矢野経済研究所
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2020年の国内OTC医薬品のEC市場規模は前年比112.2%の562億円と伸長

~EC市場の拡大に加え、コロナ禍での非接触購入ニーズの増加や外出機会の減少などが成長要因となる~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のオンライン調剤、OTC医薬品のEC市場を調査し、市場動向、セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。ここでは、OTC医薬品のEC市場の動向について公表する。

OTC医薬品(一般用医薬品および指定医薬部外品)のEC市場規模推移(BtoC)

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1.市場概況

国内における、2020年のOTC医薬品(一般用医薬品および指定医薬部外品)のEC市場規模(BtoC、メーカー出荷金額ベース)は562億円と推計した。前年比12.2%増と大きく伸長したのは、近年のEC市場の拡大に加え、コロナ禍での非接触購入ニーズの増加や外出機会の減少などの要因があると考える。
市場は2021年以降も成長が期待されており、国内OTC医薬品市場全体が8千数百億円規模※で、微増から横ばい傾向で推移する中、OTC医薬品のEC市場は今後も成長が期待できる販売チャネルであると言える。

※参考:「OTC市場に関する調査を実施(2020年)」2020年10月1日発表
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2517

2.注目トピック

新たなプラットフォームとしてのワンストップ・オンライン薬局

オンラインで専門家に相談しながらOTC医薬品を購入できたり、オンライン診療・服薬指導から自宅などでの処方箋医薬品の受け取りまでを完結できるサービスが登場している。これらの機能に加え、専門家が監修などを行った正しい医療情報をWebページ上で提供する企業も存在する。
こうしたサービスから、各種医薬品の取引プラットフォームとしての役割と、専門家への相談や必要な情報の入手といったヘルスケアプラットフォームとしての役割を兼ね備えた、新しいプラットフォームとしてのオンライン薬局の姿が垣間見える。オンライン薬局は医薬品の購入に加え、専門家への相談や信頼できる専門情報の取得、医療関連データの蓄積といった専門性の高い機能も持つ。また、日常における医療・ヘルスケアのパートナー的存在として、顧客と深く・長期的な関係を築ける可能性がある。

3.将来展望

国内OTC医薬品(一般用医薬品および指定医薬部外品)のEC市場は、今後3年間で約8%増と伸長する見通しである。これまでOTC医薬品のEC化率が低かったことから、OTC医薬品市場全体の成長が停滞する中でも、一定のEC化率に達するまで市場は拡大を続けると考える。

調査要綱

1.調査期間: 2021年7月~9月
2.調査対象: OTC医薬品関連企業等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<OTC医薬品のEC市場とは>
インターネット(電子メール含む)で注文されたOTC医薬品(一般用医薬品および指定医薬部外品)を対象とし、メーカー出荷金額ベースで算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
OTC医薬品や処方箋医薬品の配送等サービス、オンライン服薬指導システム、その他医療機関のDX支援サービス

出典資料について

資料名2021年版 オンライン調剤・OTC医薬品のEC市場の動向
発刊日2021年09月29日
体裁A4 96ページ
定価165,000円 (本体価格 150,000円)

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