UCCグループは、新たな経営方針として、「私たちの存在意義(パーパス)」「私たちの価値観(バリュー)」を制定し、コーポレートメッセージを「ひと粒と、世界に、愛を」にしたことを10月1日に発表した。
昨今では、世界的な感染症拡大や自然災害などに直面し、持続可能な社会の実現に貢献することは日々その重要性を増している。同時に、「価値あるブランドのおいしいコーヒーを楽しみたい」という顧客ニーズはさらに高まっているという。
そこで、UCCグループは、全てのステークホルダーから支持・共感を得て持続的に成長するため、改めて存在意義を見つめ直し、これまでの企業理念を継承しつつ、新たなグループ経営方針やコーポレートメッセージを決めた。
新たに定めたパーパスは、「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」とした。そしてバリューは、〈1〉コーヒーの価値探求〈2〉地球社会への貢献〈3〉挑戦と前進〈4〉協働と共創〈5〉倫理観と責任——という5つの価値観を明文化している。
UCCホールディングス執行役員で、UCC上島珈琲取締役副社長の里見陵氏は、新たな経営方針を打ち出した背景について次のように語った。「急速に社会環境が変化する中で、持続的な発展・成長のために新たに制定した。われわれの本質は何であるかを議論し、社内も社外もさまざまなステークホルダーの皆様からの支持や共感をいただきたいということで、より広い内容にしている」。
そして、これから実現したいことについて大きく2つあるとした。「ひとつは、BtoCの面で“ザ ベスト コーヒーブランド=UCC”になりたいというものだ。特に、日本でベストなコーヒーブランドだと認識していただけるように取り組む。2つめはBtoBのトータルコーヒーソリューションで、グローバルでナンバーワンになりたいと考えている」。
新たなコーポレートメッセージの認知拡大に向けては、かなり力を入れたキャンペーンを多方面に渡って展開していくという。店頭施策や従業員の名刺など、あらゆるタッチポイントで、「ひと粒と、世界に、愛を」を発信する。しっかり時間をかけて、継続性のある取り組みにしていく考えだ。
UCCグループは、1933年の創業以来、「いつでも、どこでも、一人でも多くの人においしいコーヒーを届けたい」の創業精神から、生産国での栽培、原料調達、研究開発、焙煎加工、販売、文化、品質保証まで、コーヒーに関する全ての事業を自社で手掛けてきた。そのようなこだわりのあるブランドであることを、新しいメッセージで広く知ってもらうねらいだ。