エア・ウォーターアグリ&フーズ市販向け商品「東坡肉(トンポーロー)」
(画像=エア・ウォーターアグリ&フーズ市販向け商品「東坡肉(トンポーロー)」)

〈春雪さぶーるがエア・ウォーターアグリ&フーズへ商号変更〉
エア・ウォーター(株)は10月1日付で農業・食品関連事業(農産・加工品事業)での子会社再編を行う。

コロナ禍で消費者の食に対するニーズの変化を踏まえ、総菜や宅配向け商品、市販用冷凍食品などの開発体制を強化するため、各子会社の開発・販売機能をはじめ、ハム・デリカと加工・冷凍食品の製造機能をそれぞれ集約させる。

一連の子会社再編に伴い、春雪さぶーる(株)は「エア・ウォーターアグリ&フーズ(株)(本社:品川区)に、大山ハムファクトリー(株)は「大山春雪さぶーる(株)」(同)に称号を変更する。「さぶーる」「春雪」「サガミハム」「大山ハム」「シェフリー」の既存商品ブランドは継続する。

新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、健康志向の高まりや、家庭での食事機会の増加、宅配やEC の利用が広まっており、こうした新しいライフスタイルはコロナ収束後も定着化し、今後の市場拡大をけん引していくと予想されている。こうしたなか、同社はこれまでホテルや外食向けなど業務用が中心だった開発・販売体制を見直し、こうした変化に機動的に対応するための事業再編に向けた準備を進めてきたという。

事業再編の柱は4項目に及ぶ。

エア・ウォーターグループ再編図
(画像=エア・ウォーターグループ再編図)

ひとつは、ハム・デリカや冷凍食品事業を行う春雪さぶーるの開発・販売部門に、相模ハム、大山ハムの販売部門(開発・管理部門は春雪さぶーるに統合済み)、また、青果卸・加工事業を行う(株)トミイチの加工食品販売部門を統合させる。それに伴い、春雪さぶーるがエア・ウォーターアグリ&フーズに商号を変更する。

2つめは、ハム・デリカの製造事業を行う大山ハムファクトリー(鳥取県米子市)に、春雪さぶーるのハム・デリカ事業製造部門を統合させ、大山ハムファクトリーが大山春雪さぶーるに商号変更する。早来工場(生ハム・ベーコン・ハム・ソーセージ・ソース)、サガミハム白河工場(ベーコン・ハム・ソーセージ)の製造拠点も商号が変更される。

3つめは、(株)トミイチ(北海道旭川市)の青果卸部門を新設分割し、新たに「AWアグリトラスト(株)」を設立。

そして、トミイチの加工食品製造部門については、青果の加工・冷凍食品事業を行うエア・ウォーター十勝食品(株)を吸収合併し、(株)トミイチは「AWアグリフーズテクノ(株)」に商号を変更する。

同社は、今後とくに強化する新商品・分野として、
〈1〉総菜調理加工食品(畜肉加工および農産加工技術を用いた総菜など)
〈2〉国産冷凍野菜食品(調理用野菜ミックス食品など)
〈3〉健康食、宅配食(低塩、低カロリーなど健康志向の食事キット、冷凍弁当など)
――を挙げている。

このうち、エア・ウォーターアグリ&フーズでは今後、市販向け商品として「東坡肉(トンポーロー)」(=写真)などの販売に注力していくという。今回の子会社再編によって、グループ各社が培ってきた開発・販売・製造に関する技術、ノウハウをすり合わせることで、さらなる「おいしさ」の追求はもちろん、これらの商品開発に注力できる体制を整備していく。また、食品の加工技術と同社グループの低温物流機能を融合した新たな食品流通加工事業への構造転換も進めていく方針だ。

〈畜産日報2021年9月22日付〉