「第3回 アレルギー対応スイーツコンテスト2021」最終審査会が9月4日、都内の製菓学校で開かれた。同コンテストは、「食物アレルギーがあってもなくても、みんなが笑顔になれるスイーツ」の啓発を目的に、国内唯一のアレルギーの総合展示会「みんなのアレルギーEXPO」の取り組みの一環で実施したもの。
コンテストへの応募レシピの条件は、「卵・乳・小麦を使用しない」「レシピ・原材料を明らかにする」こと。味、外観、再現性、創意工夫、技術・効率性、コンセプトの6項目各5点、30点満点で審査を行う。
3回目の開催となった今回、一般・学生・キッズの3部門に計139作品の応募を集め、前年の83作品を大きく上回った。
実技審査を行う最終審査会には12作品が進み、食感のアクセントにオートミールを用いたり、米粉や豆乳、米油を使って生地を作ったりと創意工夫を施し、味・食感・見た目に優れたアレルギー対応のスイーツ作品が披露された。コロナ禍で製菓需要が高まるなか、親子で一緒に作ることができるスイーツをコンセプトにした作品もみられた。
審査委員長の藤生義春シェフ(パティスリー・ドゥ・シェフ・フジウオーナー)は、最終審査後の講評で「参加者の皆さんが作業する様子を見ていたが、毎年レベルが上がっていると感じた。今年もすばらしい作品が多く、自分自身、普段の仕事をしていくうえで考えさせられることもあった」と語り、コンテストの審査を通して“気づき”があったと明かした。
最終審査の結果、一般部門の1位は「エデン」(小林富裕さん、東京製菓学校教員)、2位「フレーズムースショコラ」(齋藤奏さん、グランドプリンスホテル広島)、3位「28品目アレルゲンフリーのザクザクチョコベリーケーキ」(石井愛子さん、会社員)を選出。
学生部門は1位「タルト・オトンヌ」(萩原万葉さん、日本女子大)、2位「ガトー マルジョレーヌ オ パタトゥ ドゥース」(カク リョクイさん、日本菓子専門学校)、3位「木漏れ日」(テイ カカンさん、日本菓子専門学校)となった。一般部門と学生部門の1位を獲得した作品は、八芳園カフェで商品化される。
このほか、伊香保秀水園特別賞は一般部門「ミックスベリーとフロランタンの米粉ケーキ」(宮野美智さん、主婦)に、また食品産業新聞社賞は一般部門「プチシャンフローラル」(鈴木瑛美さん、プリンスホテル)と学生部門「ゆずショコラパフェ」(ラ チョンホンさん、東京製菓学校)に決まった。
キッズ部門(書類審査のみ)では、今年あらたにキッズ審査員となった楓ちゃんを優秀賞に選出した。
同コンテストの表彰式は、東京新宿京王プラザホテルで開催される「みんなのアレルギーEXPO2021」会期中の10月26日に会場内で執り行う。