六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリーで開催中の展覧会「KAWS TOKYO FIRST」にて、連日行列ができるほど日本でも高い人気を誇るアーティスト・KAWSの巨大パブリックアートが、ニューヨークのロックフェラー・センターで2021年10月8日まで展示中。
KAWS(カウズ)とは?
KAWS(本名:ブライアン・ドネリー)は、ブルックリンを拠点に活動するグラフィティ・アーティスト。1990年代、ニューヨークでのグラフィティ活動をきっかけに知名度が上がり、今では絵画や彫刻、グラフィックデザイン、プロダクトデザインなど多岐に渡って制作をする。両目が「××」になったキャラクターが有名で、コレクターからの人気も非常に高く、Instagramのフォロワーは340万人を超える。DiorやSupreme、NIKE、ユニクロのUTなどのファッションブランドとのコラボレーションも毎回大きな反響を呼んでいる。
画像引用:http://www.artscouting-gallery.com/
のびのびと見上げたい巨大なパブリックアート
《SHARE》と名付けられた今回の作品は、約5.5mのブロンズ像。KAWSを象徴する目が×印のキャラクター「COMPANION(コンパニオン)」が抱えているのは、2016年に登場した「BFF」。セサミストリートのエルモを模したような可愛らしいビジュアルで、COMPANIONと同様に大人気のキャラクターだ。この作品と同じ構図で2020年2月にはフィギュアが発売されている。
画像引用:https://www.highsnobiety.com/
今回の制作にあたって、KAWSが連想したのは子供の頃の記憶だったという。このロックフェラー・センターは、周辺にも高層ビルが立ち並ぶエリアに位置しており、冬になると大きなクリスマスツリーとスケートリンクが登場することでも有名な建物だ。KAWSは幼少期にロックフェラー・センターに訪れた際、そのビルの高さに圧倒されたとか。その時の気持ちを表すかのように、COMPANIONは少し空を見上げるように背中を反らしている。
また、昨年の新型コロナウイルス蔓延によるロックダウンを経て、「街が開き、人も動き始めた今はパブリックアートを建てるのにすごく重要な時期」だとKAWSは語っている。一時期には厳しい自粛を強いられたアメリカ・ニューヨークで、世界的現代アーティストのパブリックアートを空の下で眺めることができるのは、すごく意義のあることに間違いない。
六本木の「KAWS TOKYO FIRST」はもう行った?
150点を超える作品を展示する大型展覧会「KAWS TOKYO FIRST」。制作初期の作品から最新作の絵画や彫刻など、KAWSのこれまでのキャリアを総括する内容となっている。まだ行っていない方は、YouTubeのKAWSのインタビューを見てから行くのも、より理解が深まるのでおすすめ。
展示中の作品《UNTITLED (KURF)》(2008年)
© KAWS, photograph by Joshua White, Collection of Larry Warsh
画像引用:https://www.kaws-tokyo-first.jp/
「KAWS TOKYO FIRST」
会期:2021年7月16日(金)~ 10月11日(月)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
詳しくは、展覧会の公式ホームページへ
ブルックリンの「KAWS:WHAT PARTY」は残りわずか
今年2月からブルックリン美術館で開催している「KAWS:WHAT PARTY」の会期終了がいよいよ迫ってきている(2021年9月5日まで)。フランスのタイヤメーカーのMichelin(ミシュラン)のキャラクター、Michelin Man(ミシュラン・マン)から着想を得た「CHUM」の新作やKAWSがティーンエイジの時に書き溜めたスケッチなど、「KAWS TOKYO FIRST」同様、こちらも貴重な初期の作品から新作まで並ぶ大規模な展覧会となっている。
画像引用:https://www.timeout.com/newyork/news
同時期に世界各地で大きな展覧会の開催、ニューヨークの有名な建物前での巨大なパブリックアートの展示などKAWSの人気は止まるところを知らない。今回のような巨大なパブリックアートをいつか日本で見れる日が来るのが楽しみだ。
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参考URL
https://news.artnet.com/art-world/kaws-rockefeller-center-1997693
文:ANDART編集部