注目のオークション結果から、アート市場の動向まで。今週、アートマーケットを賑わせたトピックを振り返ってみよう。(1USD=109.83円、1ユーロ=129.55円、1ウォン=0.095 円 で換算)

目次

  1. 珍しい ”ティファニーブルー” のバスキア作品をティファニーが購入。ビヨンセ&ジェイ・Zとともにキャンペーンに起用。
  2. アートバーゼルの協力のもと、「アートウィーク東京」が11月に始動。
  3. Visaが15万ドルのNFT作品を購入。直後にNFT市場が活性化。
  4. ダミアン・ハーストのNFT、1ヶ月足らずで約27.5億円のセカンダリー取引を記録。
  5. エルミタージュ美術館の作品を撮影した無許可のNFT発売?
  6. 李禹煥の作品が約2.9億円で落札。韓国の現役作家として最高記録を樹立。
  7. NFT、貸し借りも可能に。
  8. KAWSの代表的キャラクター「コンパニオン」がモチーフの2作品、「YOUANDART」にて8/31より会員限定販売が決定。

珍しい ”ティファニーブルー” のバスキア作品をティファニーが購入。ビヨンセ&ジェイ・Zとともにキャンペーンに起用。

ビヨンセ&ジェイ・Z
(画像=ビヨンセ&ジェイ・Z)

画像引用:https://news.artnet.com/

ティファニーの最新ブランドキャンペーン「ABOUT LOVE」に、ビヨンセとジェイ・Zが起用され、同時に、ティファニーが入手したバスキアの絵画も公開された。≪Equals pi≫ と題されたバスキアの作品は、王冠や頭蓋骨など、バスキアの特徴的なモチーフが描かれている。また、ティファニーで有名なライトブルーの色調で彩られており、ティファニーの担当者は「この色は非常に特殊な色なので、何か関係があるのではないか」と述べている。関係者によれば、この絵画は市場に出回った経歴は少なく、最近、以前の持ち主からティファニーに約16億円〜22億円 (1500万ドル〜2000万ドル) の範囲で売却されたということだ。この作品は、現在改装中の5番街にあるティファニーの旗艦店に展示される予定だという。(artnet news)

なお、ビヨンセ&ジェイ・Zは、夫婦でもバスキアの作品を所有していることで知られている。

アートバーゼルの協力のもと、「アートウィーク東京」が11月に始動。

11月4日から7日まで開催される「アートウィーク東京」の第1回目の企画が発表された。一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォームが主催となり、森美術館、Blum & Poe、SCAI THE BATHHOUSE、シュウゴアーツ、Taka Ishii Galleryなど、現代アートを牽引してきた都内50のギャラリーと美術館が「現代アート」を軸に協働する、かつてない規模のアートイベントとなる

アートバーゼルの広報担当者は、アジアのアートシーンを強化することは「本業である香港でのショーの運営を補助するものになる」と述べている。アートバーゼルはバーゼル、香港、マイアミビーチで開催される世界最大規模の近現代美術のアートフェア。その国際的なネットワークの中に新たに東京が位置づけられることとなる。(OCULA)

Visaが15万ドルのNFT作品を購入。直後にNFT市場が活性化。

≪CryptoPunk #7610≫ / Larva Labs
(画像=≪CryptoPunk #7610≫ / Larva Labs )

画像引用:https://news.artnet.com/

クレジットカードの国際ブランドを運営するVisaは、NFT作品として人気の高いCryptoPunkシリーズの作品1点を約1600万円 (49.5ETH、約150,000ドル) で購入した。NFT愛好家にとって、このニュースは、NFTアートが主流文化に受け入れられつつあることを示す新たな事実として受け止められた。CoinDeskによると、Visaが購入してから1時間以内に、90のCryptoPunks作品が市場で販売され、合計で約22億円 (約2,000万ドル) の売上となったという。

さらに、8月23日にはCryptoPunkの合計販売額が94億円 (8,600万ドル) を超え、同シリーズの1日の記録となった。平均価格は約2,200万円 (199,000ドル) 前後で推移しており、先月の2倍以上となっている。同社は、近々顧客にアドバイスしたいと考えている分野での実地体験を得るために購入したという。(artnet news)

ダミアン・ハーストのNFT、1ヶ月足らずで約27.5億円のセカンダリー取引を記録。

ダミアン・ハーストのInstagramより

今年、ダミアン・ハーストのNFT ≪The Currency≫ が発売され、7月29日よりセカンダリー取引が始まったが、それから約1ヶ月で、そのNFTの取引がすでに約27.5億円 (2,500万ドル) に達したことを、ハーストはソーシャルメディアで発表した。セカンダリー市場では、すでに1,571件の取引が実施されている。

これまでの最高額は、「Yes」というタイトルの作品で約1,300万円 (120,614ドル) となっている。この作品は、タイトルが一語であることから、シリーズの中でも特に希少価値の高い作品とされている。

≪The Currency≫ の取引履歴の中で圧倒的に活発だったのは8月14日で、249件のNFTが取引された。ここ数日は落ち着いてきており、1日あたり10〜20件の売買が行われている。ハーストはInstagramでこの取引価格のグラフを彼の有名な作品のサメのモチーフになぞらえて描いている。 (artnet news)

※ artnet newsで本記事が取り上げられた後、8月28日には再び売買が活発化。プライマリー価格の約25倍ほどの価格を推移している。

セカンダリー取引開始時点からの≪The Currency≫取引額推移
(画像=セカンダリー取引開始時点からの≪The Currency≫取引額推移)

画像引用:https://currency.nft.heni.com/stats

なお、NEW ART STYLEでは、このNFT作品について詳しく解説するとともに、取引初期から動向を確認し、大きな動きが起こった際には情報を追記している。

エルミタージュ美術館の作品を撮影した無許可のNFT発売?

≪NFTill≫ コレクションの作品
(画像=≪NFTill≫ コレクションの作品)

画像引用:https://news.artnet.com/

ドイツのロックバンド・ラムシュタイン(RAMMSTEIN)のボーカル、ティル・リンデマンが≪NFTill≫と題するデジタルアート作品を発表した。この作品は、エルミタージュ美術館の数々の作品の前で自身の姿を撮影したものだ。これに対し美術館側は、リンデマンがその作品を使用することは「美術館とは合意していないし、打診があったとしても合意することはできなかった」と述べており、問題視している。エルミタージュ美術館といえば、ダ・ヴィンチやゴッホなどの所蔵作品のデジタル版をNFTとして独自に販売を行っている。なお、約1,300万円 (10万ユーロ) で10部限定で発売されたリンデマンのNFTは現時点ですべて売れ残っているようだ。(artnet news)

参考:エルミタージュ美術館、ダ・ヴィンチ、ゴッホ等、貴重な作品のNFTをオークションへ。(NEW ART STYLE)

李禹煥の作品が約2.9億円で落札。韓国の現役作家として最高記録を樹立。

李禹煥
(画像=李禹煥)

画像引用:https://www.donga.com/

美術品のオークション会社であるソウル・オークションは、韓国生まれで日本を拠点に活動する美術家・李禹煥の≪East Winds≫が約2.9億円 (31億ウォン) で落札されたと発表した。これにより、今年6月に約2.1億円 (22億ウォン) で落札された李のシリーズ作品 ≪From Point≫ の記録を更新し、彼のこれまでの最高額での落札となった。自由でダイナミックなリズムを特徴とする ≪East Winds≫は、彼の 「Windsシリーズ」の中でも傑作とされている。この絵は、BTSのリーダーRMが2019年に釜山美術館で開催された李の展覧会を訪れ、「Windsシリーズ」に特別な愛着を示したことで、幅広くも知られるようになったという。李は昨年、韓国の抽象芸術家・金煥基が保持していた、韓国でのアーティスト1人当たりの落札総額 約14.1億円 (149億7000万ウォン) という記録を更新している。 (THE DONG-A ILBO Logo)

NFT、貸し借りも可能に。

NFT
(画像=NFT)

画像引用:https://www.crypto-news-flash.com/

NFTの人気が高まる中、NFTを購入するのではなく、一定期間借りて使うという新しいトレンドが生まれているという。借り手は、購入に比べてわずかな費用で欲しいNFTを一時的に所有することができ、NFTを所有している貸し手は、遊休のNFTを貸し出して不労所得を得ることができる。例えば、デジタルマーケットプレイスの1つであるHoard Exchangeの運営するNFTマーケットプレイスには、専用の「レンタル」機能があり、NFTの所有者はレンタル価格、NFTの価格、最大レンタル期間を決めることができる。NFTを借りたい人は設定されたレンタル料を添えなければ借りることができず、また、借り手が期限内にNFTを返却しない場合、担保は貸し手(NFTオーナー)に戻り、詐欺や盗難の心配もないという。(Crypto News Flash)

KAWSの代表的キャラクター「コンパニオン」がモチーフの2作品、「YOUANDART」にて8/31より会員限定販売が決定。

YOUANDART
(画像=YOUANDART)

ANDARTの運営する、手に届く価格から本格アート作品を提供するオンラインストア「YOUANDART」にて、8月31日(火)の12:00PMより、KAWSの作品を2作同時販売する。2019年に販売されたKAWSの人気キャラクター「Companion」をモチーフにしたプリント作品と立体作品の2作品。ミケランジェロの作品《ピエタ》を題材にしたとも言われており、CompanionがBFF Companionを抱えている様子が描かれている。今回の発売は、通常の発売と異なり、LINE公式アカウントもしくはメールマガジンをご登録いただいた方への限定販売となっている。

詳細はこちら:【第3弾】人気アーティストKAWSの作品販売を開始します。(YOUANDART)

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