2020年度の化粧品受託製造市場は前年度比93.7%の3,140億円
~2020年度はコロナ禍の影響で、国内経済と消費の大幅な落ち込みに加え、インバウンド需要が消失し、日本製化粧品需要の縮小で市場は大きく減少に転じる~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の化粧品受託製造市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
国内化粧品受託製造の市場規模推移・予測
1.市場概況
2020年度の国内化粧品受託製造市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比93.7%の3,140億円と大きく前年度を割り込み、新型コロナウイルス感染症が市場に与える影響の大きさを如実に表す結果となった。
2019年度までの市場拡大要因として、①改正薬事法施行による国内化粧品製造受託市場の活性化、②インバウンド(訪日外国人客)による日本製化粧品消費の増加、③海外現地消費者向けの日本製化粧品販売ビジネス=アウトバウンド(越境ECを含む)需要拡大が挙げられる。
しかしながら2019年度後半には、中国電子商務法(EC法)施行を主要因としたインバウンド需要減速の顕在化、さらには2020年から続く新型コロナウイルス感染症による国内経済と消費の大幅な落ち込みとインバウンド需要の消失により、国内外での化粧品需要は大きく落ち込むこととなり、化粧品受託製造市場も一転、減少トレンドに転じている。
2.注目トピック
新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延によりインバウンド需要が消失
2019年1月施行の「中華人民共和国電子商務法(EC法)」により、2019年度後半からはインバウンド(訪日外国人客)需要の減速感が顕在化、さらには2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、各国間において渡航制限措置等の水際対策が強化されたことでインバウンド需要が消失、国内化粧品需要に大きな影響を与えている。
3.将来展望
2021年度の化粧品受託製造市場規模(事業者売上高ベース)は、前年から続く新型コロナウイルス感染症の影響により、前年度比94.7%の2,975億円に減少すると予測する。
2021年後半からはワクチン接種が進むことで、各種小売店舗の営業自粛措置の緩和が本格化するとみられ、市中への生活者の外出頻度も高まるなど消費環境が改善され、2021年度末から2022年度にかけて需要の回復が期待される。
2025年度の化粧品受託製造市場は2020年度比100.4%の3,152億円になると予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2021年4月~6月 2.調査対象: 化粧品受託製造・容器・原料参入企業、化粧品メーカーその他関連企業・関連団体等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング調査、郵送アンケート調査ならびに文献調査併用 |
<化粧品受託製造市場とは> 本調査における化粧品受託製造市場とは、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、その他化粧品について、化粧品ブランドメーカー(本舗メーカー)や異業種参入企業から委託され、製造する市場を指す。 当該市場は、主に受託製造市場(受託製造企業)、化粧品容器市場(容器メーカー・ディーラー)、化粧品原料市場(原料メーカー・商社)から構成される。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 化粧品(スキンケア・メイクアップ・ヘアケア・その他)、化粧品容器、化粧品原料 |
出典資料について
資料名 | 2021年版 化粧品受託製造・容器・原料市場の展望と戦略 |
発刊日 | 2021年06月25日 |
体裁 | A4 644ページ |
定価 | 132,000円 (本体価格 120,000円) |
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