矢野経済研究所
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非接触ニーズの高まりで拡大するコンタクトレス決済市場

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、世界のキャッシュレス決済市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。ここでは国内コンタクトレス決済市場の分析結果を公表する。

国内コンタクトレス決済市場規模予測

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1.市場概況

国内におけるコンタクトレス決済市場規模(コンタクトレス決済取扱高ベース)は、2019年度には約6.9兆円まで拡大し、2020年度には約7.2兆円を超える見込みである。ポストペイ(後払い)型非接触IC型電子マネーやモバイルコンタクトレス決済(QRコード※決済をはじめとするスマートフォン決済)の利用増加により、市場は拡大基調を維持していくとみる。

2.注目トピック

国際ブランドが提供するコンタクトレス決済の拡大

Visaをはじめとした国際ブランドはコンタクトレス決済機能付きクレジットカードの発行を推進しており、ポストペイ型のコンタクトレス決済が拡大しつつある。コンタクトレス決済は、小額決済における利用が中心であったが、ポストペイ型コンタクトレス決済の利用が拡大するなか、近年では比較的高額な消費においても利用されている。それにともない加盟店側のコンタクトレス対応決済端末の導入が進んでいる。コンタクトレス決済が利用できる場所や機会が拡大しており、利用者にとっては従来のクレジットカードと比較して、カードの受け渡しが不要になることから、よりシームレスに支払いが出来る環境が広がっている。

3.将来展望

コロナ禍で、非接触の決済手段に対する一般生活者の意向も後押しし、概してコンタクトレス決済へのニーズが高まっている。 新規発行のクレジットカードにはコンタクトレス決済機能が標準搭載になり、国際ブランドを中心に利用促進に取り組むことに加え、引き続き、電子マネーの利用が進むことを背景に、今後もコンタクトレス決済の普及は継続するとみる。

こうしたことから、2024年度の国内コンタクトレス決済市場規模(コンタクトレス決済取扱高ベース)は9兆円を超える水準まで拡大すると予測する。

※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

調査要綱

1.調査期間: 2020年7月~10月
2.調査対象: 主要コンタクトレス決済サービス提供事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、文献調査併用
<コンタクトレス決済市場とは>
本調査におけるコンタクトレス決済とは、カードやスマートフォンなどに搭載されたNFC(非接触IC規格)を媒体とし、短距離無線通信を用いることで決済端末にかざすだけで決済ができるサービスである。コンタクトレス決済には主にプリペイド(前払い)型非接触IC型電子マネーとポストペイ(後払い)型非接触IC型電子マネーがある。なお、市場規模は非接触IC型電子マネー及び国際ブランドが提供するコンタクトレス決済の取扱高(利用額)を合算して算出している。
<市場に含まれる商品・サービス>
クレジットカード、電子マネー等

出典資料について

資料名2020年版 世界キャッシュレス決済市場の実態と将来予測 ~モバイル決済・コンタクトレス決済編~
発刊日2020年10月30日
体裁A4 190ページ
定価198,000円(本体価格 180,000円)

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