西脇新会長、西前会長
(画像=西脇新会長、西前会長)

日本給食サービス協会は5月20日、定時総会を都内で開催した。任期満了により役員を改選し、日本ゼネラルフードの西脇司代表取締役社長が会長に就任した。

西脇会長は「歴代会長の中で最高齢での会長就任となることから、就任の要請を受けるか悩んだ。しかし、給食業界にとっても大変厳しい状況が続くこの時期に、私のこれまでの給食サービスにおける経験が協会並びに、給食業界全体の役に立つのであればと奮起するとともに、大変重い責任を感じ、身の引き締まる思いだ」と述べ「46年余りにわたり先達の皆様が築かれたレガシーをしっかりと継承し、今後も、協会が国民の皆様から一層信頼される団体となるよう、会員企業214社が一丸となって尽力していく」と意気込みを語った。

〈「給食縮小社会」への対応が喫緊の課題〉
西脇会長は就任にあたり2点、思いを語った。1点目は、「給食サービスの市場環境はコロナ禍が招いた新しい生活様式が定着し、コロナ禍以前の状態には戻ることはない」こと。

具体的には、IT企業を中心にリモートワークの普及に伴い出勤率が低下し、社員食堂などの産業給食部門では、オフィスを中心に喫食数が急激に減少し、さらに企業の保養施設や社員クラブの需要も壊滅状態であるとした。また、大学では、休校により学生食堂自体が休業を余儀なくされ、再開しても、リモート授業の普及により喫食数が減少し、厳しい状況が続いているという。小中学校の学校給食では、今後仮に再び臨時休業となった場合には、委託費の減額や当該学校で勤務する給食従事者に対する代替え業務の斡旋や休業補償の問題があるとした。

さらに、病院給食では、単価制の導入が拡大傾向にあり、利益の圧迫に直結しているとして、各病院がコロナの患者の対応のため、全体の入院患者数を減少させていることが売上高の減少につながっているとした。他にも、老人介護施設、保育園施設については、感染防止のため濃厚接触を避ける必要があり、運営に制約を受けている状況とした。

このような現状を踏まえ、「ウィズコロナ・アフターコロナ社会が引き起こす現象は、まさに給食縮小社会と言えるだろう。このような会員企業にとって喫緊の問題に対し、協会としてどのようなことができるのか、早急に検討しなければならない」と覚悟を語った。

〈会員企業のSDGsの展開を支援〉
2点目には、会員企業に対するSDGsの展開への支援を挙げた。「国連サミットで採択され5年が経過し、今や、『SDGsの理念に沿ったサスティナブルな給食の取り組み』は社会の要請となっている」と話し、フードロスへの対応や、節電・節水、地元食材を使用して長距離輸送をしないなどカーボンニュートラルへの取り組みを例示して「給食サービスの場でできることがたくさんある」と強調した。

その上で「クライアントの我々への要望は、『おいしい料理の提供』のみに留まらず、『おいしくて、かつSDGsに貢献している』というレベルにまで達しているのではないか」と分析。「このため、会員企業に対する旗振り役として、どのような取り組みが可能かについても検討したいと考えている」と話した。

西剛平前会長(レパスト代表取締役社長)は退任挨拶で「後任の西脇会長は、日本メディカル給食協会の会長もされた給食業界の重鎮の一人なので、このコロナ禍で大変な状況となっている業界を先導して頂けるものと確信している」と信頼を語った。

新三役は次のとおり。
会長
西脇司(日本ゼネラルフード代表取締役社長)

会長代行
脇本実(ハーベスト代表取締役社長)

副会長兼北日本支部長
室田義男(東北フードサービス代表取締役)

副会長兼関東支部長
馬渕祥正(馬渕商事代表取締役社長)

副会長兼中部支部長
青木博之(ミツオ代表取締役社長)

副会長兼関西支部長
藤井俊成(テスティパル代表取締役社長)

副会長兼西日本支部長
兼田敏郎(ラ・ココット代表取締役)

専務理事
山口宏記(協会事務局)

相談役理事・前会長
西剛平(レパスト代表取締役社長)