矢野経済研究所
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2020年度の理美容向け業務用化粧品市場は、前年度比93.8%の1,389億円

~個人経営の店舗減少や少子化による内需縮小に加え、新型コロナウイルスの感染を懸念する理美容サロンの来店客数減少により市場は減少傾向が続く~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の理美容向け業務用化粧品市場を調査し、市場規模、都道府県別やカテゴリー別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

理美容向け業務用化粧品市場規模推移・予測

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1.市場概況

2020年度の理美容向け業務用化粧品市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比93.8%の1,389億円になった。理美容向け業務用化粧品市場は、少子化による美容人口の減少で縮小傾向が続いてきた。2020年度は、年初頭から続く新型コロナウイルス感染拡大で、感染を懸念する消費者の来店を控える動きや来店頻度減少による客数の落込みが市場の減少に拍車をかけた。一方で、コロナ禍による在宅時間の増加で巣ごもり消費、ヘアケアを中心とした自宅ケアニーズ拡大で、店販商材の販売は比較的健闘している。

2.注目トピック

コロナウイルス対策・販促強化の主力チャネルとしてECシステムの構築や導入が加速

顧客との対面による販売を基本とする店販化粧品の販売は、来店時の限られた時間による顧客との接点や機会を今まで以上に創出すべく、化粧品メーカーやディーラーではECシステムの構築や導入に注力している。このような物販のデジタル化の動きは、今般のコロナ禍による外出自粛やサロンの利用を控える顧客心理が顕在化したことで重要性を増し、今後も業界全体で導入の流れが加速するとみられる。

化粧品メーカーやディーラーは、これまで外部のインターネットモールに出店するなどしていたが、コロナ禍を契機に自社によるオンラインプラットフォームを開設、美容室へ買いに行く手間を解消して商品を購入しやすい環境を提供することに加えて、専用アプリを活用して理美容室が直接販売する方向へシフトしている。

3.将来展望

理美容向け業務用化粧品市場は、緊急事態宣言が発出された2020年4月~5月の期間に未曽有の客数減少となったものの、6月以降は来店機運の緩やかな上昇に伴う客数回復のトレンドへシフトしており、2021年度はその傾向がより改善され前年度比プラスに転じるとみられる。

2021年度以降、市場は国内人口の減少に伴う内需縮小を余儀なくされる一方、新型コロナウイルス感染拡大の流れも緩やかに沈静化していくとともに、市中での消費活動も徐々に回復基調に向かっていくとみられる。但し、ウィズコロナやアフターコロナにおける新型コロナウイルスとの共生や、新たな価値観にもとづく社会生活では、コロナ禍以前の水準に理美容産業が回復することは難しいとの見方が強く、理美容向け業務用化粧品市場は減少トレンドで推移していく見通しである。

調査要綱

1.調査期間: 2021年1月~3月
2.調査対象: 理美容化粧品メーカー、理美容化粧品商社・ディーラーその他、理美容関連協会・団体、理美容関連企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含)、電話・e-maiによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
<理美容向け業務用化粧品市場とは>
本調査における理美容向け業務用化粧品市場とは、国内理容所(理容室)と美容所(美容室)で主に毛髪に関する施術に供するために必要な業務用化粧品全般、及びサロン利用客を対象に販売するサロン専売のホームケア化粧品の市場をさし、原則として宿泊施設・エステティックサロン等で使用されている業務用化粧品は含まない。
<市場に含まれる商品・サービス>
ヘアカラー剤、パーマネントウェーブ剤、ヘアケア剤、スタイリング剤、その他付随する美容関連化粧品

出典資料について

資料名2021年版 理美容化粧品マーケティング総鑑
発刊日2021年03月25日
体裁A4 253ページ
定価120,000円(税別)

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