日本の職人やアーティストが世界で活躍できる土壌を作るべく、アメリカで和菓子ブランド「MISAKY.TOKYO(ミサキ・トーキョー)」を立ち上げた三木アリッサさんへのインタビュー第二弾。
アメリカではほとんど知られていなかった和菓子をどのように現地に浸透させたのか、その販売戦略とブランディングの秘訣を三木アリッサさんにインタビューした。
アメリカ人向けにローカライズした和菓子を考案
永井 「MISAKY.TOKYO」の和菓子は、一般的な和菓子とは少し見た目が違います。あのビジュアルに行きついた経緯はどのようなことだったのでしょうか。
三木 そもそも、私が思う伝統の定義からご説明します。伝統には2種類あり、昔からの伝統をそのまま引き継ぐという伝統の考え方と、次世代につなげることこそが伝統であるという考え方です。私は、次世代に紡いでいくことを重視しています。
考え方としては、どちらが良い、悪いではなく、どちらもあるからこそ、未来に残って行けるものだと信じています。しかしアメリカへいきなり従来の和菓子を持っていっても理解されないと思いました。なぜなら和菓子は、西洋のスイーツとは見た目も味も違いすぎるがゆえに、その良さが理解されずらいからです。
いつかは「これが日本の伝統の和菓子だよ」というものを紹介していきたいと思っていますが、今はその段階ではない。それならばまずは、アメリカ人に和菓子を「これ素敵!」「これおいしそう」「食べてみたい!」と思ってもらえるようにしよう、そのあとで本当の伝統を持っていこう、という思いで始めました。