「サントリー天然水スパークリング 贅沢しぼり グレープフルーツ」
(画像=「サントリー天然水スパークリング 贅沢しぼり グレープフルーツ」)

炭酸水市場が在宅需要の高まりを受け、好調を続けている。2020年の販売数量は過去最高を記録し、2015年比で1.6倍になった。ただ、炭酸水では味が物足りないというユーザーの声もあり、サントリー食品インターナショナルは“甘党向け炭酸水”として、「サントリー天然水スパークリング 贅沢しぼり グレープフルーツ」(500mlPET/124円税抜)を3月16日から発売する。

炭酸水市場の好調は、テレワーク中に炭酸の刺激やレモンのフレッシュな味わいが気分転換に合致してよく飲まれるようになったことと、家でお酒を飲む時に割材として使われるようになったことが大きい。カテゴリーでトップクラスの「サントリー天然水スパークリング」シリーズも昨年は、「スパークリングレモン」の好調で過去最高売上を記録し、2015年比で2倍に拡大した。

ただ、成長の続く炭酸水市場でも課題はある。炭酸水のユーザーの中にはもともと甘党だった人もおり、有糖炭酸のコーラやサイダーは糖分が気になるために控えているものの、今ある炭酸水は味気なくて物足りないため、自分にぴったり合った商品がないと思っている人が多いことだ。そこで、サントリー食品インターナショナルは、飲みごたえたっぷりの“甘党向け炭酸水”として、新たに「天然水スパークリング 贅沢しぼり」シリーズを展開することにした。

同社ブランド開発事業部の福永すみれさんは、「健康意識があって有糖炭酸から卒業したいと思いながらも、いまの炭酸水に満足しきれないという、気持ちが揺れ動く甘党の人たちに向けて、“贅沢しぼり”シリーズを商品化した。“超!果実の新!炭酸”を味わっていただきたい」と話した。

サントリー食品インターナショナル ブランド開発事業部・福永すみれさん
(画像=サントリー食品インターナショナル ブランド開発事業部・福永すみれさん)

3月に発売される新製品「天然水スパークリング 贅沢しぼり グレープフルーツ」は、同ブランド過去最高の果汁含有率(グレープフルーツ果汁1.2%)と柑橘オイルを含む新素材を使い、砂糖は不使用ながらも飲みごたえを高めた。パッケージにも工夫があり、店頭で直感的に伝わるザラザラした表面のボトルと白濁の中味にしている。「果実感がたっぷりな炭酸水だということが、店頭でパッと2秒で伝わるようなパッケージを目指した」(福永さん)。

グループ会社のサントリー酒類には、「こだわり酒場のレモンサワー」などの人気の缶チューハイがあるため、同商品の糖酸設計などの知見を生かしたという。だが、最も大切にしたのは、「酸味や甘味よりも、果実本来の味わいがしっかり楽しめることをポイントにした。素材にこだわり、ヘルシーな価値を崩さずに中味設計を行った」とする。

炭酸水は10年前から市場規模が8倍(プレーンタイプ)になるなど、清涼飲料市場の中で最も成長しているカテゴリーだ。この市場が継続成長するには、味覚に物足りなさを感じているユーザーがいるという課題に対応することも必要だろう。“甘党向け炭酸水”の提案は、これからも多くのメーカーが挑戦することが見込まれる。