ハナマルキの動画型オウンドメディア「ハナマルキTV」
(画像=ハナマルキの動画型オウンドメディア「ハナマルキTV」)

ハナマルキは自社制作の動画を配信する、動画型オウンドメディア「ハナマルキTV」をスタートさせた。スペシャルコンテンツとして、女優の小雪が日本の発酵調味料について語り、調理シーンを初披露する動画KOYUKI「ALIVE WITH HAKKO」を独占配信する。

同社では、創業してから102年の間、「みそ」「塩こうじ」といった麹を使用した日本古来の発酵調味料の研究を続け、世の中に発酵調味料の奥深さ、素晴らしさを伝えてきた。今回の「ハナマルキTV」のプロジェクトもその一環で、今後も同社独自の「液体塩こうじ」などを通じて、国内外に日本の発酵文化を広めていく。

KOYUKI「ALIVE WITH HAKKO」では各分野の発酵の達人との「発酵対談」や、小雪の調理シーンで構成し、小雪のオリジナルレシピなども公開していく。

「発酵対談」では、発酵食スペシャリストであり、小雪とプライベートでも一緒にみそ作りを行っている岸紅子が登場し、子育てに関するエピソードなどを交えつつ、発酵の魅力を語る。

ハナマルキの平田伸行取締役マーケティング部長に「ハナマルキTV」の狙いについて聞いた。

平田伸行取締役マーケティング部長
(画像=平田伸行取締役マーケティング部長)

立ち上げのきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で店頭での試食販売ができなくなり、それに代わる手段として「液体塩こうじ」の使い方を伝える動画を社内で制作したこと。

「社員が登場し、液体塩こうじの使い方を伝える。撮影・編集も自社で完結させたが、十分に放映できるレベルに仕上がった。これまでも動画配信には力を入れていたが、当社が発信したいメッセージを自社で動画に編集し、発信していくことをさらに進めていく」。

「液体塩こうじ」の使い方を伝える動画(キャプチャ)
(画像=「液体塩こうじ」の使い方を伝える動画(キャプチャ))

動画戦略を加速させるためには、覚えやすい名称があったほうがいいと考え「ハナマルキTV」と名付けた。これまでもハナマルキは、液体塩こうじの料理教室に「ハナマルキッチン」という名称を付け。プロジェクトの認知度を上げていくなど、社名を利用したネーミングも一つのPR戦略になっている。

「ハナマルキTVに関しては、ハナマルキの今を伝えるメディアにしていきたい。レシピ動画だけではなく、今回の小雪さんのようなメッセージ動画も1つの形。レシピ動画でも当社社員が出演するだけではなく、ゲストを招く企画もある。また、『液体塩こうじ』を使っている一般の消費者の方に、液体塩こうじを使った『おうちごはん』を実際に作って紹介してもらうのも面白い。SNSを使って、この『おうちごはん』企画に出演していただける方を募集すれば、フォロワー増の効果も見込める」とアイデアを膨らませる。

動画撮影に関しても、「プロのカメラマン起用するのではなく、スマホなどを使って社員が撮影し、編集も簡単にできるソフトがあるので、社内で楽しみながらつくっていきたい。『このアイデア面白い』と思ったら、すぐに企画し撮影、編集し配信するという柔軟性、機動力が大事。動画に対してお金と時間かけず、撮ったらすぐアップする。いろいろな切り口の動画にチャレンジできる」と語る。

「ハナマルキTV」は採用活動のPRという目的もある。ハナマルキでは、採用活動におけるプレゼンテーション強化を目的の一つとして、昨年より新卒・中途の採用活動をマーケティング部で担っている。ハナマルキTVも、マーケティング、採用活動両方を睨んだ設計を行い、マーケティングと採用を両立させる「ハイブリッド組織」の効果を生んでいる。

「昨年からマーケティング部で採用活動を行っているが、新卒・中途ともに候補者の方が当社の記事・動画を確認されていることが多く、事前に当社情報を認識いただいているので、面接採用がスムーズに進んでいる。今後さらに動画の内容を強化することで、採用活動がより効果的になると考えている。よりリアルにハナマルキをイメージしてもらうために、カジュアルな内容の動画も検討してみたい。今、YouTubeでは、一般の方の日常のルーティンを紹介する動画が多く見られるが、例えば、『ハナマルキ30歳若手社員の朝』みたいなルーティン動画を流してみるのも面白い。社員がユーチューバーとなって、情報を発信していく時代になる。『社員をどうタレント化するか』がPRの取り組み重要なテーマになるかもしれない」と展望を語る。

ハナマルキTVのスペシャルコンテンツとして、女優の小雪を起用したきっかけは、小雪が日本の発酵調味料の良さを多くの人に知ってもらいたいという考えが強く、その想いにハナマルキが共感した。しかし、この動画にはハナマルキの商品が強く訴求されていない。

「小雪さんのメッセージを伝えることが目的で、自社のコマーシャル的な内容にはしたくなかった。小雪さんの考え、意思を尊重した」とし、小雪の世界観を大切にしたという。

今後の新しい動画としては「液体塩こうじでおうちごはん」のスペシャルコンテンツに注目してもらいたいとする。

「海外一流シェフが教える、『液体塩こうじでおうちごはん』動画を近々に公開する。フレンチとイタリアンの三ツ星シェフが、簡単に調理できる液体塩こうじ使用のオリジナルレシピを考案、その調理シーンを自宅キッチンで撮影。この動画は英語版、フランス語版、イタリア語版も制作し、海外にも配信。いろいろな国で『液体塩こうじでおうちごはん』を楽しんでいただけたら。ハナマルキTVはグローバルにも展開していく」とする。

ハナマルキTVでは、他にも服部栄養専門学校とコラボレーションした動画を公開予定、小雪のメッセージ動画については、第2弾を来春に公開予定としている。

「2021年のPRは『動画』がテーマになる」(平田取締役)と、動画戦略をPRの柱に据える方針だ。