住宅リフォーム市場規模は2020年第3四半期11.7%減
~コロナ禍にあっても、ほぼ例年並みまで回復~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、住宅リフォーム市場の短期的な市場トレンド調査を実施し、2020年第3四半期の市場規模(速報値)を公表する。
住宅リフォーム市場の四半期別の市場トレンド推移
1.市場概況
2020年第3四半期(7~9月)の住宅リフォーム市場規模は1兆6,045億円(速報値)、前年同期比で11.7%減と推計する。
前年同期(2019年7~9月)は消費税率引上げ前の駆け込み需要が小幅ながら顕在化していたことから、前年同期比で10%以上の大幅な減少となった。しかし、第3四半期における市場規模について、過去5年の平均値と比較するとほぼ同じ水準であった。新型コロナウイルスの影響による消費マインドの低下等を背景に新設住宅着工が大幅に減少していることを考慮すると、住宅リフォーム分野は比較的健闘したものと考える。実際、猛暑・豪雨・台風に加え、北海道での地震など自然災害に見舞われ、消費が低迷した2年前の2018年第3四半期と比較してもプラスでの推移となっている。
2.注目トピック
2020年1~9月期の住宅リフォーム市場規模は4.4兆円 前年同期比5.7%減
2020年1~9月期は、4兆4,269億円(前年同期比5.7%減)となった。「設備修繕・維持」や「家具・インテリア等」も結果的にマイナスではあるが、緊急事態宣言により4~5月にかけて営業機会が失われていたことを考慮すれば、小幅なマイナスは、むしろプラス推移と同等であるとみる。
3.将来展望
2020年の住宅リフォーム市場規模は、6.1~6.3兆円を予測する。
現下、新型コロナウイルスの感染が拡大傾向にあるなか、これ以上の感染拡大によって、再び緊急事態宣言が発出され、経済活動が休止するようなことはないという前提での予測値である。新型コロナウイルス感染拡大の影響のあった4~5月時点では6兆円を下回るといった予測もしていたが、現時点では6兆円規模に踏みとどまれそうな状況にまで回復してきた。在宅勤務や外出自粛など、自宅で過ごす時間が長くなることから、コロナ禍に対応した在宅空間をリフォームで充実させるといった新しい需要に期待する。
調査要綱
1.調査期間: 2020年7月~9月(2020年第3四半期) 2.調査対象: 各種統計データ及び住宅リフォーム事業者 3.調査方法: 当社専門研究員による市場規模算出、及び文献調査 |
<住宅リフォーム市場とは> 本調査における住宅リフォーム市場とは、「10 m2超の増改築工事」・「10 m2以下の増改築工事」・「設備修繕・維持関連」・「家具・インテリア等」の4分野をさす。 なお、市場規模は国土交通省「建築着工統計」、総務省「家計調査年報」、総務省「住民基本台帳」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」をもとに推計した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 住宅の躯体・設備等の修理・修繕・改装に関わる工事等 |
出典資料について
資料名 | ヤノ・レポート 2020年11月25日号 |
発刊日 | 2020年11月25日 |
体裁 | B5 69ページ |
定価 | 年間購読80,000円 (税別) |
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