矢野経済研究所
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自然派・オーガニック化粧品市場は2011年度以来初めてのマイナス成長予測

~2020年度の国内自然派・オーガニック化粧品市場は前年度比92.1%の1,290億円と予測~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内自然派・オーガニック化粧品市場を調査し、製品カテゴリー別や流通経路別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

自然派・オーガニック化粧品の国内市場規模推移と予測

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1.市場概況

自然派・オーガニック化粧品の国内市場は、化粧品に関する安全・安心志向が高まっていること、サステナブルな(持続可能な)環境を意識したライフスタイルを、と考える消費者の増加、敏感肌と自覚する女性が増加していることなどを背景に、拡大を続けている。
また、イメージ先行ではなく、一般の化粧品に求められる機能も有するナチュラル・オーガニック化粧品が増えていることで訴求力が高まっており、消費者とのタッチポイントが増えていることなどから、2019年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模※は、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比101.7%の1,400億円となった。
※今回の調査にあたり、過去に遡って2017年度、2018年度の市場規模を見直している。

2.注目トピック

日本初の「ナチュラルコスメ認証制度」制定

2020年、日本初の「ナチュラルコスメ認証制度」が誕生した。
広告代理店業および小売店業を展開する企業が新たなナチュラル・オーガニックの認証機関を立ち上げたもので、日本の消費者がオーガニック・ナチュラルコスメを購入する際の “選定のポイント” をベースに認定基準を定めた。ナチュラルコスメの認証基準を設ける取り組みは日本で初めてとなる。
2000年代に入り、日本でも拡大するオーガニック市場には、2005年の改正薬事法施行により異業種企業やスタートアップ企業も市場参入するなどしている。オーガニックの認証制度は欧州のエコサートやコスメビオ、米国のUSDAなど数多く存在するが、日本の認証制度制定が市場に与える影響と制度の普及が進むかどうかが、注目される。

3.将来展望

2020年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模は、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比92.1%の1,290億円と予測する。2020年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴う店舗休業期間があったことで、2019年度を下回る見通しとなり、2011年度以来初めてのマイナス成長予測となる。
店舗休業の影響はECチャネルによって一定のカバーはされたものの、既存客の購買すべてを取り込むことは困難であり、カウンセリングを必要とする新規客の獲得は鈍ったものとみている。

調査要綱

1.調査期間: 2020年8月~10月
2.調査対象: 自然派・オーガニック化粧品メーカー、販売代理店、小売店、関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接(オンライン含む)及び電話によるヒアリング、文献調査併用
<自然派・オーガニック化粧品市場とは>
<自然派化粧品とは>
本調査における自然派化粧品とは、①天然植物原料を主成分としている、②化学合成成分の配合を抑制している、の2つともあてはまる化粧品をさす。

<オーガニック化粧品とは>
本調査におけるオーガニック化粧品とは、①第三者機関のオーガニック認証を取得している、②使用原料の大部分を自社及び提携農園のオーガニック素材を使用している、③ブランドラインアップの大部分にオーガニック素材を用いている、のいずれかがあてはまる化粧品をさす。
<市場に含まれる商品・サービス>
自然派・オーガニック化粧品のスキンケア製品、ボディケア製品、ヘアケア製品、メイクアップ製品、その他

出典資料について

資料名2020年版 自然派・オーガニック化粧品マーケティング総鑑
発刊日2020年10月29日
体裁A4 383ページ
定価120,000円(税別)

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