(本記事は、牧野 剛氏の著書『15分で儲かる会社に変わる! ~ぐるぐるフセン会議の魔法~』=ぱる出版、2020年8月24日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
「粗利総額アップ」を意識して「チーム目標額」を決める
社員に「ぐるぐるフセン会議」を始めてもらう前に、社長は粗利をベースとした「チーム目標額」と「基本戦略」を決めておく必要があります。この2点によって、社長がゴールの方向性を明確に示すことになり、それによって社員も行動しやすくなるからです。
「チーム目標額」とは、会議に参加するメンバーが会議と行動を通じて「達成すべき粗利額」となります。期日と金額をセットにし「〇月〇日までに粗利〇円を達成」という定型文にします。実施期間についてですが、期間が長すぎるとダレますし、短すぎると会議の効果が発揮されるまでに間に合わない場合がありますので、3カ月程度の区切りにして、目標金額はその都度更新していくとよいでしょう。
「チーム目標額」の金額の決め方にルールはありません。経営者としての長年の勘から「えいや!」で決めてしまうのも良いですし、収支のバランスからきっちりと算出する正攻法でももちろん良いと思います。決め方に迷ったときには次の算出例を参考にしてみてください。
【チーム目標額の算出例】
〈ゴールイメージ〉
対象社員は4人、取り組み期間は3カ月とする。
社員1人につき、月給は1万円昇給し、ボーナス(半期分)は現在30万円のところを60万円に増額したい。
〈計算〉
- 月給:1人あたりの昇給額と諸経費の割合を50%:50%と考えると、粗利を月額2万円増やすことが必要
- ボーナス:現在、半期で30万円のところを60万円に増額するには、60万円÷6カ月=10万円となり、粗利を月額10万円増やすことが必要
- 月給とボーナスを合わせると、2万円+10万円=12万円(1人あたり/1カ月)
- 3カ月では12万円×3カ月=36万円(1人あたり/3カ月)
- 社員は4人なので 36万円×4人=144万円(4人あたり/3カ月)
→つまり、粗利アップ目標は3カ月で144万円となります。
【例:チーム目標は:〇月〇日(目標額の発表から3カ月後)までに粗利144万円アップを達成】
職種別の「基本戦略」を決める
次は「チーム目標額」を達成するための「基本戦略」を決めます。もちろん社長が決めてもいいのですが、「ぐるぐるフセン会議」を行なう部署の職種によっておすすめのAとBの2パターンの「基本戦略」を次に挙げますので、まずはそれを、会議を行なうメンバーに示すだけでいいでしょう。
- Aグループ: お客さまとの金額交渉がある職種・サービスの提案ができる職種
- Bグループ: お客さまとの金額交渉がない職種・サービスの提案ができない職種
Aグループには営業部門などが該当します。
Bグループは製造業や建設業の現場部隊などで、経理部門や総務部門といった社内間接部門もBグループに入ります。
なお、1つの会社内でも、営業部と製造現場とでは職種が異なりますので粗利アップ方針は分けます。
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