
2025年8月28日、カシオ計算機株式会社は「The Sandbox」とのパートナーシップのもとで、仮想空間「G-SHOCK CITY」をオープンすると発表しました。
都内で開催された記者会見には、G-SHOCKの生みの親である伊部菊雄氏と、The SandboxのCOO兼共同創設者であるセバスチャン・ボルジェ氏が登壇。G-SHOCKの新たな挑戦となるメタバース展開への期待を語りました。
この記事では、記者会見の模様と「G-SHOCK CITY」の概要をお伝えします。
G-SHOCK開発の苦難をメタバース上で追体験

今回発表された「G-SHOCK CITY」は、G-SHOCKの世界観が学べるメタバースゲームです。
The Sandboxが提供するメタバースプラットフォーム上に構築されており、プレイヤーはG-SHOCKがモチーフのアバターを操作します。メタバース空間を駆け回りながらG-SHOCKの歴史や哲学に触れつつ、ブランドが誕生するまでの物語を追体験できます。
トークセッションに登壇した伊部菊雄氏は、G-SHOCK開発の原点について、父親から贈られた大切な腕時計を不注意で落として壊してしまったという個人的な体験を明かしました。

「当時の腕時計は精密機械で、落とすと壊れるのが当たり前でした。この経験が、『丈夫な時計を作りたい』という強い思いにつながったのです」と、開発の動機を振り返りました。これをきっかけにプロジェクトが開始され、耐久性試験のために会社の3階から幾度となく試作品を落下させる日々が続いたそうです。
「G-SHOCK CITY」のストーリーではこのエピソードも忠実に再現されており、ユーザーはゲームを楽しみながらブランド誕生までの苦難の道程を学ぶことができます。
G-SHOCKになりきって、過酷な耐久試験をクリアせよ

この他に実装されているコンテンツが、パルクールスタイルのサバイバルレースです。
G-SHOCKの高い耐久性は、防水試験や落下衝撃試験といった過酷な検証によって担保されています。これらの厳しいテストをモチーフとしたコースが「G-SHOCK CITY」上に用意されており、プレイヤー自身が時計となって製品試験のクリアを目指します。

The Sandboxのボルジェ氏は、「皆さんのイマジネーションを実現させるのが、メタバース空間の体験です。『G-SHOCK CITY』は、まるで自分がG-SHOCKの時計になったかのような感覚で楽しむことができます」と、その魅力を語りました。
NFTアバターコレクションも展開

ゲームコンテンツの公開に先立ち、2025年9月3日よりNFTアバター「G-SHOCK Droid コレクション」が限定販売されます。
これは、G-SHOCKの代表的なモデル「DW-5600」などをモチーフにしたロボット型のアバターで、ユーザーはこれを自身の分身として「G-SHOCK CITY」はもちろん、「The Sandbox」上の他の様々なメタバース体験でも使用できます。
ボルジェ氏は、「このアバターコレクションによって、ユーザーは『G-SHOCK CITY』を体験するだけでなく、他のメタバース空間でもG-SHOCKの世界観を表現できるようになります。これが今後どのような形で広がっていくのか、非常に楽しみにしています」と、Web3ならではの相互運用性がもたらす新たな可能性に期待を寄せました。
のろいちゃんによるゲーム体験

記者会見の後半では、Web3ゲーム業界のインフルエンサーである「のろいちゃん」が実際に「G-SHOCK CITY」を体験しました。
「G-SHOCKの生まれた瞬間を目撃できて、非常に貴重でした。製品を作る過程を一緒に追体験できるのは、これまでのゲームにはない感覚。」と語り、メタバース空間での臨場感に驚いていた様子でした。
最後に
40年以上にわたり時計の常識を覆し、独自のカルチャーを築き上げてきたG-SHOCK。近年では、「VIRTUAL G-SHOCK」というプロジェクトのもとで、デジタル空間への進出も積極的に行ってきました。
特に「VIRTUAL G-SHOCK」において顕著なのが有名Web3プロジェクトとのコラボレーションであり、以下はその一例です。
このような施策に関して、NFT Mediaでも以下の記事でカシオ計算機へインタビューしています。
詳細:【デジタル領域におけるカシオの挑戦】「VIRTUAL G-SHOCK」チームにインタビュー
これまでのプロジェクトの延長線上としてメタバースへと舞台を広げ、G-SHOCKが持つ「タフネス」という世界観を発信しようとしています。この「G-SHOCK CITY」は、2025年9月24日より全世界に向けてリリースされる予定です。
クレジット:G-SHOCK CITY先行体験&記者会見