日本郵船株式会社(9101)は、6月12日、Kadmos Holding GmbH(ドイツ、以下:Kadmos社)と同社の全株式を取得することに合意した。

日本郵船は、定期船事業、物流事業、自動車事業、ドライバルク事業、エネルギー事業、その他の事業(不動産、客船ほか)を行っている。 Kadmos社は、船員向け給与支払いプラットフォームをグローバルに展開している。

背景・目的

日本郵船は2019年、世界最大の船員輩出国であるフィリピンの首都マニラにマルコペイ社(MarCoPay Inc.)を設立し、フィリピン人船員とその家族の福祉を促進するプラットフォームとして、ローンや保険を含む金融サービスを提供している。

マルコペイ社は、フィリピン人船員に対するデジタル給与支払いプラットフォーム事業者として唯一、フィリピン中央銀行から電子マネー発行者のライセンスを取得しており、フィリピン人船員を起用する船主や船舶管理会社に対してサービスを提供している。

本件M&Aにより、サービスの対象をフィリピンからすべての国籍の船員に拡大し、包括的な給与支払いソリューションをグローバルに提供する。

拡大したサービス対象エリアを活かして、海事産業での電子通貨の普及に取り組み、海運業界を支える船員のウェルビーイングを強力に推進していく。

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