人材紹介会社ジェイ エイ シー リクルートメントが20代〜50代の正社員を対象に実施した調査によると、転職のきっかけは、全ての世代で「給与・待遇の不満」が最も多いことが分かった。特に30代と40代は「給与・待遇の不満」を挙げた人の割合が高くなっている。

「給与・待遇の不満」で転職、30代・40代で高まる

転職のきっかけは「給与や待遇に不満があったから」(37.0%)、「仕事内容に不満があったから」(32.4%)、「人間関係に問題があったから」(29.0%)が上位だった。

「給与や待遇に不満があったから」を挙げた人の割合は全ての世代で最も多かった。特に30代と40代は2番目に多い「仕事内容に不満があったから」との差が大きい。

転職のきっかけ内容(複数回答、上位5項目)

全体 20代 30代 40代 50代
給与や待遇に不満 37.0% 33.5% 38.0% 39.4% 35.0%
仕事内容に不満 32.4% 31.0% 31.7% 30.8% 35.7%
人間関係に問題 29.0% 23.9% 28.3% 30.1% 31.5%
労働環境に不満 26.9% 27.1% 28.5% 21.5% 29.6%
企業の業績や将来性に不安 18.3% 22.6% 18.2% 20.4% 14.5%

初任給の引き上げなど若手の処遇改善が目立つ

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転職の際に重視することも、基本給、ボーナス、昇給率などの「給与」(76.6%)が最も高く、他の内容を大きく引き離している。

男女とも、1位「給与」(男性74.7%、女性80.2%)、2位「休日・休暇制度」(男性49.3%、女性65.7%)、3位「勤務場所」(男性44.9%、女性61.5%)と多い内容は同じだが、女性は「休日・休暇制度」「勤務場所」を挙げる人が男性に比べて多い。

企業の人事担当者(採用担当歴3年以上)に従業員が転職しないために行うと良いと思うことを聞いたところ、「昇給・ボーナスの制度を透明にする」(81.5%)、「業界水準に合った給与を支払えるように調整する」(80.5%)の給与に関する内容が上位だった。

ただ、実際に従業員の転職引き留めに役立ったことでは、「昇給・ボーナスの制度を透明にする」(76.9%)、「業界水準に合った給与を支払えるように調整する」(71.5%)よりも、「人間関係やキャリアプランに対応するための部署異動、配置転換を促す」(83.1%)、「定期的に面談等を実施し、社員の悩みをキャッチアップする」(80.8%)、「マネージャー層の教育を強化し、部下との関係構築を促す」(80.0%)が上位に挙がった。

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転職に関する実態調査の詳細はこちら
https://research.jac-recruitment.jp/information/852/#toc-anchor-h2-2

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