
王子ホールディングス株式会社(3861)は、Chemfield Cellulose Private Limited (インド・マハラシュトラ州、以下:Chemfield社(ケムフィールド))の発行済株式を取得したことを発表した。取得金額については非開示。
王子ホールディングスは、生活産業資材、機能材、資源環境ビジネス、印刷情報メディア等の事業を行っている。
Chemfield社は、製薬業界向け微結晶セルロースの製造・販売をグローバルで事業展開している。発がん性のあるニトロソアミン類を含まない高い品質水準と価格競争力に強みを持っている。
背景・目的
微結晶セルロースは、パルプを原料として精製される、無味、無臭の白色の粉末で、医薬品製造用の賦形剤や栄養補助食品向けなど幅広い用途に適した安全性の高い製品である。
セルロース系賦形剤は、錠剤製造に求められる成形性、粉体の流動性などの優れた高機能性が評価され、新薬やジェネリック医薬品への採用が拡大している。
また、インドにおける製薬業は、高品質の製品を手頃な価格で欧米向けに供給することで急成長を遂げ、今後も人口増加による医薬品の需要増を背景に、重要な輸出産業として堅調に拡大を続ける見通しである。
王子グループは、本件M&A通じて、従来の原材料(パルプ)事業の下流工程であるパルプ加工品(微結晶セルロース)の製造販売一貫体制の確立を通して、高付加価値事業にビジネスを拡大することで、森林資源を活かした木質バイオビジネスの発展を目指す。